小型船舶の運用においてロープワークは欠かせない手技である。ロープの結び方は船舶の長い歴史のなかで膨大な数が開発され有用性が実証されてきた。
しかし、エンジン動力船について『理屈コネ太郎』的には、取りあえず2つの結び方に習熟していれば、ほぼ大抵の場面に対応できると考えている。
2つの結び方とは、クリート結び(クリートヒッチと呼ぶ場合もある)とボーライン結び(バウラインノットと呼ぶ場合もある)である。
この2つは長い船舶の歴史で生き残ってきた結び方で正しく結べば信頼性は非常に高い。
2つの結び方を左右どちらの手でも、立ち位置が変化しても素早く結ぶ事ができれば、ほぼ無問題である。
今回はクリート結びについて、拙劣ながら写真で説明したい。
その前に、クリートについて説明したい。クリートとは、船舶や桟橋にロープを結ぶために設置されている独特な形をした金具の事である。
今回紹介するのは、桟橋側のクリートにロープを結ぶ状況でのクリート結びである。船舶側のクリートにも同様の結び方でオッケー。
取り敢えず始めよう。
船からのロープが画面左上から右下に向かっているとき、先ずクリートの右端のツノにロープをひっかける。
次に左のツノにロープをひっかけてから、右のツノに交差するようにひっかける。
ここで左手の甲を内側にするように手首をひねる。
内側に手首をひねると、左手小指側のロープが、親指側のロープの下をくぐるループを作るようになる。
このループを左のツノにひっかる。
左下に伸びるロープをキュっと引っ張るとご覧のようになる。
この状態がクリート結びの完成形である。
次に左右逆バージョンを写真だけお見せしよう。
左右のクリート結びを、今回は左手だけで結んだ写真を御見せした。同様の事を右手でも出来るように毎日練習している。
ちょっと考えれば出来る…では安全を確保できない。考えなくても手が勝手に結んでくれるくらいに練習して習熟度をあげておこう。
因みに、本頁でよくわからなくても全く心配ない。You Tube でクリート結びとかクリートヒッチとかで検索すると、実に多数の動画が出て来るので、是非とも参考にして欲しい。
船舶運航上の安全は膨大な数の小さなスキルを確実に実施することによって担保されるのだから。
今回は以上。
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