私『理屈コネ太郎』が医療を社会現象として捉える契機となった本を紹介したい。エリオット・フリードソン著『医療と専門家支配』
原著はElliot Freidson, Professional Dominance: The Social Structure of Medical Care, 1970で、その翻訳版が本書。本書は社会科学の翻訳本にしては大変に読みやすく、初学者にも分かりやすい。
翻訳者が優れた人達であり、かつ原著が英語というのも大きな理由だと思うが、医療社会学が米国では大きな領域であることも、見逃せない理由だ。大きな領域からは、優れた専門書が出てくるものである。
医療という営為は様々な理由で古くから多くの社会学者達から注目を集めて浴びてきた。本書は医療を”専門性”や”有資格者”あるいは”自律性”などの観点から、医療の特異性を解明している野心的な本。
患者がこの本を読めば、医師を含めた医療従事者がどのような人間たちなのかが少しは理解できるかもしれない。医療者たちの傲慢さやせっかちさの根源も理解できるかも。
臨床医が読めば、時に懊悩する自らの立ち位置に、思いもよらない角度から明かりを灯してくれるかもしれない。
原著は1970年に出版されている。その時代に既にこれだけの考察がなされていた事に驚くほかない。
ところで、この本に興味をお持ちの方には難解で有名な天才ミッシェル・フーコー著『臨床医学の誕生』の存在を知って戴きたい。ココをクリックすると当該頁に行けます。
今回は以上
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