古株職員がイジメッ子だと、組織の生産力が成長しないので、経営層はイジメっ子古株職員の発生を予防する努力が必要であることを本ページで説明する。
私、「理屈コネ太郎」は、これまで約20年にわたり産業医として、数多くの企業・事業所等で部下・後輩クラッシャー(以下 クラッシャー)評価目的のアンケートを実施してきた。
なぜアンケートでクラッシャーが見つかるのか? それは、職員(できれば社長以下全員)を相互評価するアンケートをだからである。クラッシャーは部下・後輩に過大ストレスを与える。だから、複数の人が特定の個人にストレスを感じていたら、その個人はほぼほぼクラッシャーだ。
アンケートの実施には、解答者の性や実施者の第三者性、質問内容や評価尺度の設定、個人情報保護と同時に分析に必要な要素同士のヒモ付け、実施方法と質問用紙回収方法、評価対象者へのフィードバックの方法、全責任者であるディレクターの専任など、実に多岐にわたる事前の設計が必要だ。
大抵の場合は、経営層から直接、嘱託産業医(よほどの大企業でなければ、産業医は外部の人間なのだ)である私に相談が来る。曰く、「なかなか新人が居つかない、長続きしない。だから組織が成長できない。なにか方法はないだろうか?」と。
そこで社外の人間であり、筋金入りの理屈コネ太郎である私がディレクターとなり、アンケートの実施と収集された個人情報管理の全てを責任を持つ事を経営層が社内に明言し、上記のようなアンケート実施するのである。
賢明な読者に説明は不要だろうが、職場は「給料」と「労働」の単純な交換の場ではない。従業員はリーダーの背中を見て、この人だったらついて行きたいと思っているものだ。リーダーの理念や働く姿勢に共感するのだ。この共感が深いほど、組織としての機能は高くなるように思う。
しかし反対に、この人の下では働きたくないと部下・後輩に思わせるリーダーもいる。そしてそう思った部下・後輩のうち優秀な人ほど(ここ重要!)、つまり優れた選択肢をより多くより速やかに発見できる人ほど、サラっと退職する。そうした組織が優れて機能することはあまりない。
会社トップは、アンケートによって、上には愛想は良いが実際はクラッシャー、そういう中間管理職は誰なのかを見定めたいのだ。
この問題意識は「理屈コネ太郎」の肌感覚として正しいと思える。勤務医として長期に渡り同じ組織にドップリと浸かって仕事をしていると、入職年度が長い人が短い人にマウントを取るために、指導や教育という名目でハラスメントに近い行為をしている場面に度々出くわすのだ。
興味深いのは、職場の友人関係に仲間内では、誰がクラッシャーなのかについての情報が、それは見事に共有されていること。そして『さわらぬ神に祟りなし』の諺とおり、皆がクラッシャーとの接触を業務上最低限としている。
更に興味深いのは、経営トップ層も、なんとなくではあるのだがクラッシャーが誰なのかを実は把握していたりもするのだ。しかし、それを明確化するツールも、仮に明確化できたとしてもクラッシャーを良きリーダーへと行動変容を促すツールもない。こうした場合(殆どの場合がそうだ)、やはり「さわらぬ神に祟りなし」のとおり、現状維持という選択が採用されてしまう。
クラッシャーに悩まされる部下・後輩たちの中でサラりと転職できる人はまだいい(本当はよくないけど)。何等かの事情で転職できない人がクラッシャーの言動に忍耐を強要されるのは注意すべき事象だ。クラッシャーは職場をギスギスさせる達人だから、最悪、誰かが精神的に病み、自殺する事だってあり得る。
階層化された組織の運営には、クラッシャーのあぶり出しと、炙りだされたクラッシャーを良いリーダーに行動変容させるトレーニングの2点が必要だ。クラッシャーが存分にクラッシャーぶりを発揮している組織は、少なくとも人数的な成長なみとめない。
それは、採用にかけたコストが無駄になるということ。そしてそれ以上に、将来のビジネスチャンスを喪失するということ。クラッシャーを放置し、よきリーダーへの行動変容を促さないのは、これほど罪深い事なのだと理屈コネ太郎である私には思えるのだ。
今回はクラッシャー見極めの方法としてアンケートについてすこし書いてみた。クラッシャーをよきリーダーへと変える行動変容の手続きについも色々と書きたい理屈コネ太郎ではあるが、それはまた別の機会に。
今回は以上。
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