本ページでは『ストレスフリー問診法① とくに初診時』の内容を踏まえて、より具体的な対応方法について言及する。
いつものように本ページにおける情報は『理屈コネ太郎』の管見による私見である旨を銘記して読み進めて欲しい。
皆様のお役に立てる内容である事を願っている。
初診時の問診における最大のポイントは、”自分の判断での受診 or 他者の指示による受診なのか”、である。
医学的には勿論”主訴とその程度”が最大のポイントであるのだが、問診という作業は医学的合理性を個別の患者にどの程度適応するかを判断するためにものだと考えると、納得してもらえるのではないだろうか。
次に大きな意味を持つポイントは、”対処療法のみを希望 or 精査治療まで希望しているのか”である。
賢明な読者ならもうお分かりいただけるだろう。
問診における要諦は、”自分の判断での受診なのか or 他者の指示による受診なのか”&”対処療法のみの希望か or 精査希望か”という2つの観点から患者を4つtypeに振り分けることなのだ。
4つのtypeに振り分けた上で、”主訴とその程度”に基づく医学的合理性の適応の適否や濃淡を判断する。」
TypeⅠ
自分の判断での受診かつ精査を希望している患者なら、医学合理的な診断と治療を希望していると考えてよい。主訴とその程度を聴取して医学合理性のある検査や治療へと進む。場合によってはこの段階で他院紹介も可。
Type Ⅱ
自分の判断で受診したが対処療法のみを希望している患者には、恐怖心や時間や経済的な理由から検査等はあまり希望していないと判断する。主訴とその程度にもとづいて精査の要の有無を説明したうえで希望の対処療法のみにとどめておく。しばらく症状が継続するなら精査の要ある旨の説明を忘れないようにしよう。
Type Ⅲ
上司や学校からの指示で受診しているのに精査を希望している患者(極めて少数だが)には、良い機会だから検査を受けようと思っていると判断する。上司や学校が何故受診を指示したのかを聞き取って精査へと進む。場合によってはこの段階で他院紹介も可。
Type Ⅳ
上司や学校からの指示で受診して対処療法(経過観察を含む)のみを希望している患者には、医学合理的な診療の希望はほぼ全くないと解釈しよう。上司や学校が受診を指示した理由をある程度に聞き取って対処療法(経過観察を含む)にとどめる。
初診時における問診で医師が最初に発する質問は「今日はどうしましたか?」であることが一般的であるが、視診的に問題なくバイタル正常で重症感が全くない会社員(彼らは業務時間中に無理して受診している場合が殆ど)には、診察の冒頭で単刀直入に患者自身の判断による受診なのか、対処療法のみか精査希望なのか、を質問しても良いと思う。
彼らは時間が大切なのだ。
患者の問題意識と希望を医者が出来るだけ早く汲み取ることは、患者のストレスも、医師のストレスも軽減するのである。
もちろん、単刀直入なclosed questionによって患者に警戒心を抱かせないためには『ストレスフリー問診法① とくに初診時』で記述したように、医師は出来るだけ柔和で受容的な口調と態度で患者に接するべきである。
柔和で受容的な態度と口調を全ての患者に実行するのは大変な努力が必要で、ストレスのあす行為ではあるが、診察がサクサクと進むので、午後の診察後のトータルなストレスは大幅に軽減されていると思う。
皆様のお役に立てる事を祈って。
今回は以上。
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