マイボートで経験したトラブルについて

本ページでは、理屈コネ太郎生涯最初のマイボートJeanneau社製Merry Fisher 895 Sportで経験したトラブルについて記述する。

ここで言うトラブルとは、船の設計や構造や製造施工精度、あるいは搬送中の力の作用などに由来するものに限定している。

あくまで、私の艇の個体問題かも知れないが、Serie2が発売された事でMerry Fisher 895 Sportの流通が増えるかもしれないし、また他のメーカーであっても輸入艇の購入を検討している人も少なくないと思うので、そういう方の参考に少しはなればと思い記述する事にしました。

2022年秋に新艇で理屈コネ太郎のもとにやってきたMerry Fisher 895 Sportは、実に期待通り、いや期待以上の船であった。(詳細はココをクリック)

内装もゲルコート面であり、お洒落感満載。モノはガンガンつめるし、後続距離も長いし、それなりに速いし。

とはいえ、輸入艇が最初から完璧であるはずがない…というのは、プレジャーボート界隈では定説のようである。

大小のトラブルは必ずあると理解して、納艇直後から出来るだけ頻繁に出航して、保証期間中に問題点を洗い出して修理してもらうのが定法。

とはいえ、簡単には気づけないトラブル、ヒッソリと進行するするトラブルもあるので、注意が必要である。ときどき、化粧板を外したり、配線や配管を追いかける事も無意味ではない。

愛艇Merry Fisher 895 Sportでのトラブルらしいトラブルといえば、雨漏り…かな。

これまでに3回、雨漏り事象があった。今となっては、雨漏、すなわち上屋の水漏れであると判明しているが、不自然な水たまりを、喫水より低い船内に予期せず発見した時は、本当に嫌な気分になる。

全沈とか半沈という言葉があるが、1/10000沈くらいの捉え方といえば、嫌な気分を共有できるだろうか。

最初の雨漏りは、バウとミジップとふたつある船室のうちバウの船室の床が妙な感じに濡れている事で気が付いた。これは、原因が比較的簡単に突き止められたし、保証期間内であったので費用的にも負担にならず、大した問題ではなかった。

二度目の雨漏りに気づいたのは、保証期間が終わったあとだった。何気なくミジップの船室の船底近くの化粧板を外したら、若干喫水より下のハルの一区画にタップンと真水が溜まっていた。

アンラッキーな事に、その区画はオートビルジとは無関係な区画であったので、オートビルジが反応せずに、溜まってしまっていた。

ポンプで吸い出したら、8リットル程度であるけれど、許容できない事態なので、この水たまりの原因を検索する必要があるが、場所的に船内の給水ルートからの漏出も考慮するので、大変な作業になるだろう。

点検項目も増えるが、小型船舶内の作業はとにかく大変である。ずっと屋根裏で作業している感じ…とたとえれば理解してもらいやすいか。

この雨漏りの原因追及には結構手間取った。熱心にみてくれるマリーナスタッフが給水径路を確認し、何度も船体に水をかけ考えられる箇所を塞いでくれたおかげで、この雨漏りは現在のところ再発していない。

今でも週に一回程度は船底付近の板を外して確認しているが、完全にドライである。

三度目の雨漏りは、天窓の枠と天井の継ぎ目からだった。この原因箇所の同定と修理も、上記のスタッフが段取りしてくれて、今では完全に治っている。

海上係留の船にとって船内に雨が貯留するのは非常に宜しくない。豪雨が続いたりすると、きわめて緩徐にではあるが、船が沈んでしまう。

そういうわけで、これまで発見した雨漏りは全て解決した。

すこしJeannueau社の名誉のために補足すると、一定程度以上の水が船内にたまると、オートビルジが作動するので、Merry Fisher 895 Sportが雨漏りで沈む事はまず考えられない。

だから、人によってはポンプで水を除去した後は様子見するかもしれないケースではあるけれど、水がたまると微生物が繁殖して不潔になるので、ドライとして設計された場所はドライであった方が良いから対処したって感じかな。

ドライであるべき場所に水が溜まっているのは、溜まった水の量にもよるが、取り敢えず1/10000沈と解釈すれば、雨漏りの原因検索の必要性に緊迫感が出る。

それから、丁度Seakeeper Ride装着のために陸揚げする機会もあったので、ここでいったんキチンとやりましょうって事になったのだ。

その他の、トラブルらしいトラブルはないかなあ?

エンジンはホンダ製を国内架装したので信頼性は問題なし。電子機器はガーミンで、同様に装着は国内なので安心。

ああ、そうそう。アンカーを引き上げる際にアンカーローラーというパーツが船体に接合されている箇所が一回だけミシっと音がしたので、裏から覗いてみたら、あまり強度が高くなさそうな造作だったので、この箇所を補強する事にした。

アンカーを引き上げる際に、それなりに正しいやり方というものがあるが、海況によっては多少の無理をしなくちゃならない事だってある。だから強度は高い方が宜しい。

この補強については、マリーナのスタッフに依頼して段取りをつけて貰った。

理屈コネ太郎は浅瀬の砂地にしかアンカリングしないので、若干強度は落ちるがクサリとアンカーをステンレス製に変更する。

クサリがステンレス製だと、錆びないので摩擦が減ってアンカーローラーへの抵抗が少し減るし、アンカーがステンレスだとピカピカに光ってカッコ良くになりそうだから。

このページで記述したトラブルは、もしかしたら理屈コネ太郎の船固有の事象かもしれないし、もしかしたら国産艇ではありえない事かもしれない。

だから、プレジャーボート全体にありがちなトラブルとは言えないけれど、知っておいて損のない知識かな…とは思う。

教訓としては、新しく入手した船は、とにかく出来るだけ頻繁に出航して運用して色んな機能を試用して、そして化粧板などは外したりして、自分の遣い方において発生するトラブルは徹底的に対策した方が良い。

新艇で買った直後から何週間も放置した後に海上で走らせて大丈夫な船は陸上保管のトヨタポーナムくらいだよ…って誰かが言っていたのを思い出す。

トヨタポーナムについてそれが本当かどうかは知らないけれど、とにかくそんな事が言われるくらい、プレジャーボート、特に輸入艇はメンテナンスを留意した方が良いという事だろう。

とはいえ、新艇あるいはそれに準ずる条件の艇を、その艇を係留するマリーナから購入する場合、大抵のトラブルは解決できると思う。

トラブル→修理→トラブルみたいな地獄ループにはならないので安心してね。

だって実際、理屈コネ太郎はボートライフをエンジョイしているし。

今回は以上。

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