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【写真1:艤装中のマイボート(右舷・左舷エンジン搭載状況)】

数日ぶりに、工場内で艤装中の私のマイボートを見に行ってきました。前回訪れたときは右舷(スターボード)側のエンジンだけが取り付けられていましたが、今回は左舷(ポート)側にもエンジンが搭載されていました。
ただし、まだプロペラが装着されておらず、どこか“未完成”のままです。この状態では、まだ「彼女」として海へ漕ぎ出すには準備不足。そんな印象を抱きました。
【写真2:プロペラ未装着のエンジン部】

プロペラがないせいか、見た目にも少し締まりがないように思えます。
でも、こうした「未完成の姿」にも、私はある種の美しさを感じてしまいます。ものづくりの過程にしかない、静かなエネルギーのようなものがあるからです。
■ 船を「彼女」と呼ぶ理由
多くの言語では船は女性名詞です。名詞に性別がない英語でさえ、船を “she” と呼ぶことが一般的です。
私も、この船を「彼女」と呼ぶことに決めました。これに違和感を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、どうかご容赦いただければと思います。
■ 艤装中の「彼女」に語りかける
今日の彼女は、左側のエンジンの架装作業の真っ最中でした。
雨模様の一日で、ヤードに吹き込む風が思いのほか冷たく感じられました。そんな中、作業にあたってくださるスタッフの方々には、心から感謝の気持ちを抱いています。
ボートというのは、海に出れば基本的に孤立無援の存在です。風、潮流、波……どれもが一瞬で豹変します。準備不足や慢心は、命に関わる致命的なリスクを生みます。
だからこそ、自分にできる準備を怠らないこと。安全なキャプテンであるために、考えられることはすべて考え抜く。それが私の姿勢です。
■ 「どうすれば安全に彼女と海を楽しめるのか?」
艤装中の彼女に問いかけるように、そんなことを心の中で考えています。
もちろん、彼女が答えてくれるわけではありません。
けれども、これまでも私は所有したすべてのクルマやバイクに対して同じように語りかけてきました。
■ 自分には分不相応かもしれない。でも…
「君に今の私は相応しくないかもしれないけれど、それでもよろしく頼むね」
そう語りかけながら、彼女の隅々を見て、触れ、その感触を確かめています。
機械に語りかけることに意味があるのか?
たしかに物理的には意味がないでしょう。けれども、細部を観察し、自分の手で確認しておくことは、いざという時に大きな助けになるのではないかと思っています。
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おわりに
彼女はまだ艤装中。海へ出るその日まで、私の問いかけは続いていきます。
彼女が安全に、快適に、そして楽しく航行できる存在であるように。
今回は以上です。お読みいただき、ありがとうございました。