本ページではプレジャーボート運用におけるマリーナ利用の諸費用が高いか安いかは、利用者の腕次第であるという理屈コネ太郎の管見内での独断と偏見による私見を述べる。以下、その点をご銘記のうえ読み進めていただきたい。
まずマリーナとはどういう施設なのかを明確にしたい。
プレジャーボートにとってマリーナとは、クルマにとっての駐車場とディーラーと整備工場を足し合わせたような存在。
マリーナとの相性、あるいは顧客としての腕が悪いと、ボート遊びがつまらなくなったりするかもしれない。余程の悪徳マリーナ(本邦にそんなモノがあればのハナシだが)でなければ、マリーナの諸費用や修理代等が高額と思えるのなら、それはオーナーとしての知識や相場勘、想像力やスキルが不十分だからだと理屈コネ太郎は思う。
全てのサービス業において言える事だと思うが、顧客側の客としてのスキルが低いと、提供されるサービスの質が低下する。マリーナも同様だ。(顧客側のスキルについてはココをクリック)
ときどき「ボラれた…」と愚痴をこぼす顧客をどの界隈でも見かけるが、高額な購入費や修理代に凹む気持ちは理解できるけれども、見積書通りの作業と清算が行われた場合、「ボラれた」は顧客として口に出さない方が良い言葉だと理屈コネ太郎は思う。
この言葉を仄聞した業者側の士気はかなり下がり、そして巡り巡って顧客自身が長期的に損をするからだ。業者側からみて、見積書通りの作業と清算なのにボラれたなどと発言する人を顧客として信頼できるわけがない。
見積書に合意して、作業にGoを出して、見積書通りの作業と清算が行われたのに、それをボラれたと感じたり、あまつさえ口に出したりするのは、倹約ではなく、吝嗇であると理屈コネ太郎には思える。(倹約と吝嗇の違いについてはココをクリック)
マリーナに船を係留する費用は絶対値として廉価ではないが、顧客の腕次第では良質のサービスを引き出して相対的に安価にする事が可能である。
理屈コネ太郎は、欲しいと思った船のディーラーが偶然にマリーナだったので、ボートもヨットもそこで購入し、係留している。
船2隻ぶんのマリーナ費用は決して金額として低いとは言えないが、そこは理屈コネ太郎の腕で良質のサービスを引き出して、ボートライフやヨットライフを快適で安全でスピーディーにできている。
こんな事があった。
ある日の午後、よい風が吹いていたので数日ぶりにヨットにのったら、どうも機走中の操船入力に対する艇の反応がおかしい。
いったんはマリーナから海に出てみたが、艇の反応がいつもと全然違うのですぐにマリーナ戻ってきた。
エンジン回転数を上げてもいつもの速力が出ず、舵の効きもきわめて鈍い。
理屈コネ太郎のヨットのプロペラは開閉式になっていて、普段はつぼみのように閉じているプロペラが、エンジン回転数を上げると遠心力で開いて推進力を生むようになっている。
エンジンを停止したり、クラッチを切ってプロペラが回転していないとき、プロペラは閉じていて、セイリング時の抵抗を小さくできるというスグレモノ。
きっと、プロペラに周囲に何かが巻き付いて回転をあげても中途半端な開き方しかしないのではないか…と推論を立てた。
もしこの推論が正しければ、プロペラに巻き付いた何かを取り去れば艇は本来の動きをしてくれるはずだ。
プロペラは水面下50センチくらいの位置にある。絶対に1mより浅い位置だ。
そして理屈コネ太郎は500本以上潜ったダイバーである。
ウエットスーツほどではないが、水作業用のスーツもナイフも水中で使用できるライトもある。
自分で潜ってやってみるか?10月末なので、水はまだそれほど冷たくないし、水からあがってすぐにスーツを脱いで体をタオルで拭いて乾いた服を着れば全然だいじょうぶ。
しかし、マリーナでは遊泳やオーナーの潜水は禁止されている。
しかたない、いったんマリーナから出て近くの安全な入江にアンカリングして作業すっか…、と考えてから、このヨットにアンカーは2つ積んではあるが、どちらもロープに繋いでいないことをおもいだした。
このヨットでは当面セイリングスキルの向上だけを考えていたので、アンカリングしないと想定していたのだ。
アンカーにロープを繋ぐのは簡単だ。やる気になってヨット内で作業を始めつつ、すべての作業のイメトレを行う。
そこでまたまた気が付いた。投錨は簡単だが、回収時に必要な装備をこのヨットには艤装していないのだ。
アンカーを海から艇に回収する際に、鉄製のアンカーが樹脂製の艇体を傷つけないように、艇から少し離れたところを支点にしてロープを巻く必要がある。
この、艇から少し、50センチくらい?はなれたところに支点をつくる装備、アンカーローラーが私のヨットにはない。
こりゃやっぱマリーナに頼むしかないと決意して、マリーナの親しい職員に電話したら繋がらない。それも当然だった。マリーナに電話したらなんとその日は休業日。
あっちゃー、また明日電話すっかぁ~。
と、思っていたところにマリーナ職員から電話がかかってきた。私からの着信に気づいて、本来はお休みの日なのにコールバックしてくれたのだ。
本当にありがたい。
お礼を述べたあと、事情を説明したら、もしかしたら明日中に船を上架できるかもしれない。でもスケジュール的に立て込んでいる場合もあるので確約はできない、とのこと。
それでも良いので宜しくお願いします…と伝えて電話を切った。
さて当日、運よくヨットを上架できたので船艇やプロペラをみたら、私の目にはそれなり量の小さな生物が船艇やプロペラに付着していた大したことない。しかし、その場にいたマリーナのスタッフによると結構な量の付着とのこと。
船がいつもと違う挙動を示したのは、ロープや釣り糸などがスクリュウーに絡んだ事が原因ではなく、なんとフジツボの想定外の増殖だった。
これらの写真をみると、プロペラに生物が付着しているのがよくわかる。たったこれだけで、プロペラの推進機能や舵の効きがスポイルされてしまうのは、大きな勉強になった。
刃先を少し鈍にした柄の長い鑿のような道具を使って船艇やプロペラシャフトやシャフト軸受けやプロペラから付着物を数人のマリーナのスタッフと一緒に剝ぎ落す。
なんとか目立つような付着物はほとんど削り落とした感じ。すぐに海上に戻して効果を検証する。
これは、近いうちに新規に船艇塗装をビシっとやりましょう…ってことになり、その日は削ぎ落て下架して試運転に。
試運転し始めてすぐに、コレコレ!と体になじんだ操縦感覚。やはりこうでなくてはなりません。船底やプロペラに付着するフジツボは、操船特性を狂わせる。
昨日の夕方に感じた異常を、次の日に上架して応急処置ができるのは、このマリーナに優秀なスタッフと整備工場の施設&マンパワー&ノウハウがあったからだ。
異常の原因発見と次の一手への布石をスパッとこなす。これほど気持ち良い事があろうか?
このスピード感は、理屈コネ太郎のようなシングルハンドのボート&ヨット乗りには大変に助かる。
2022年11月にボートを、2023年5月にヨットを購入して以来、いろいろな冒険をしてきた。
初心者船長が納艇2か月を経たずに伊豆大島まで2回も行けたこと(当サイト内関連ページはココをクリック)。なんの脈絡なくいきなりヨットを購入してシングルハンドで独学で遊べていること。千葉のビーチ(無人の)に上陸できたこと(当サイト内の関連ページはココはクリック)。
すべて、多数の小さな問題点をいちいち解決しながらの実践である。これらをマリーナスタッフ抜きで、あるいはマリーナの手配するプロの助けなしで完遂することは、不可能ではないが、かなり面倒だし技術的にもハードルが高い。
私の独力で解決できた問題も少しはあったが、実際はほとんどはマリーナの助けがあって解決できた問題ばかりだ。
マリーナのスタッフは基本的にド素人の理屈コネ太郎をそっと見守ってくれている。大体において遣りたいように遣らせてくれる。そして、私が助けを求めたときに機敏に反応してくれる。
もちろん、マリーナに係留したり仕事を依頼すればそれなりに費用はかかる。だってそれは彼らにとってはそれがビジネスだから。
確かにマリーナに支払う諸費用は、絶対的な金額としては廉価ではない。
でも、マリーナを活用しなければ、いま理屈コネ太郎が実践している遊びのほとんどは夢想のままだったに違いない。それを考慮すると、かかった諸費用は相対的には廉価であった。
要は、支払った費用以上にマリーナの機能を上手に活用して、最大限のFUNを実践できているかどうかだろう。
つまり、客としてのビジョンと腕がモノをいうのである。
マリーナのおかげで、もっともっと実践したい遊びの妄想が膨らんでいる。
だから、マリーナに払う諸代金を高いと思ったことは全然ない。細かい所の不具合や理屈コネ太郎の身体に合わせた尺の変更、それから最近ではSeakeeper Rideの愛艇への導入(詳細はココをクリック)があった。
マリーナを活用することで理屈コネ太郎が実行している遊びとそれによって体感できるFUNは諸代金の100倍以上の価値があると思う。
マリーナ利用は割安だと理屈コネ太郎が思う所以である。
今後の展開に乞うご期待。
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