ヨット セイリングは唯ひとつ未経験な事。

ふと思い立ち、動力船と並行してヨットもやってみようと思い立った。理由は、ヨットはやったことがなかったから。

えば、やりたくて、やろうと思えばやれるコトのうち、やった事がないのはヨットくらい。他のことは一度は本気でやってみて愉しい愉しくないを判断してきた。

小型船舶免許は主に動力船のための免許であり、取得のためにヨットの知識はまったく要求されない。因みに『理屈コネ太郎』は独学でヨットを習得するつもりである。しかもシングルハンド前提である。適宜マリーナに生息する達人たちにアドバイスをもらいながらやってみるつもり。ウインドサーフィンは少しかじっていたので、ま、なんとかなるだろうって思えるし

なんかいい船ないかなあ…とネット上で探していたら、ホームマリーナが関連する別のマリーナからヤマハフェスタ31が売りに出ているのを発見した。早速、担当の人に連絡をとって現物を見に行く事にした。

東京から目的地である愛媛のマリーナまで片道約6時間。最寄駅からマリーナにつくと、すでに試乗の準備は出来ていて、さっそく試乗に出発した。同席してくれたのは、私にモーターボートを売ってくれた営業の人と、当日うかがったマリーなの主みたいなオジサン。

このオジサンの指示で機走、帆機走、帆走を穏やかな瀬戸内の海で体験させてもらえた。オジサンの指示やアドバイスで、これまでヨットについて誤解していたり、無理解だったりしたことに、少し整理がついた。

あ、これならやれる…と確信めいたものを抱いた。

初回登録は1995年、今から28年前になる。船、特にヨットは新しければ良いというものでもないらしい。何年か前に大西洋横断ヨットレースに参加した日本人スキッパーから聞いた話である。中古の船は、それまでの年月で改善されるべき個所は改善されているはず。ただし、よく乗られている船に限るとの事。

実際に私が新艇で現在所有している28クラスの船も、チョイチョイ問題が起きている。

ところで、ヨットの世界は不思議な世界である。まるで自ら絶滅危惧種になろうとしているかのような振る舞いがヨット界隈に目立つ。

たとえば、ビギナー向けのテキストを読んでいると、何の説明もなしにいきなり専門用語が出てくる。

ちなみに、経験者が初学者向けに教えるフォーマットは実は決まっている。

先ず導入がある。ここで、これから学ぶ知識がどのような意味を持つのかをザックリと学習者に示す。

次に総論である。これから学ぶ内容についての概観を使えるように学習者に理解してもらる。

そして次に各論である。各論では、他の専門領域と重なる事が少ないように配慮されながら専門的な概念や用語について学ぶのである。

しかし、私が入手したヨットビギナー向けのテキスト的書物の殆ど全てで、導入、総論、各論のステップは踏まれておらず、あまつさえ文中に何の説明もなしに専門用語がチョイチョイ出現するのだ。ビギナー向けの書物なのに…である。

思えば、日本の教育は全部がこんな調子である。いきなり各論に入り、テストで優秀者を手軽に選出するのが目的としか思えない。

日本の公教育で導入をちゃんとやらないから、中高で習った数学は実生活でなんの役にもたたなかった…とか、中高と英語を勉強したのに英語をちっとも喋れるようにならない…とかって話になるのである。

あくまで『理屈コネ太郎』の印象だが、日本の公教育は数学も、英語も、物理も化学も古典も、本当に学生に身につけさせようと意図してカリキュラムを組んで居ないと思う。

文科省は短時間で、即ち、小、中、高の十二年間で手っ取り早く秀才を選抜したいだけだと思う。だから、やたら暗記に頼らなければ解けない問題を出題し、ただ1つの正解しか認めないのではなかろうか。

話しをヨットに戻そう。

ずっと昔にヨットを日本に持ち込んだり広げたりしようとした人々は、どういうわけか、ヨットの各部の名称や操船操作を外来語のままで押し通した。この習慣は現在も続いていて、潜在的ヨット参入者がヨットに興味を失う原因のひとつとなっている。

かつての私もそうだった。

私案だが、ハリヤードはセイル揚げロープ、シートはセイル張ロープにでもすればよいのにと思う。

西洋発症の学問である医学も数学も物理学も哲学も、今日では大学学部レベルでは殆ど日本語に置換されたカリキュラムで学習され、その結果、世界にでても恥ずかしくない水準の教育が出来ている。

大学院レベルになると研究水準がやや見劣りするという人もいるが、それは外国語の困難性ではないとおもう。

何語であれ、その言葉が示す概念が正確に定義されていれば問題ないはずだ。

にも拘わらずず、ハリヤードだシートだとクローズホールドだとアビームだのと外国語を使用しつづけるのは、新規参入者を虐めて拒んでいるとしか『理屈コネ太郎』には思えない。

とまあ、こんな事を考えつつ、人生最後のスポーツとしてヨットを選んでみた。乗りこなせる気は十分に漲っているが、やってみなければわからない。自分には無理と早々に判断して撤退するかもしれない。

しかし、それよろしかろう。なんせ相手は風で海上を走る船だ。手ごわくないはずはない。ヨットの操船がそのものが難しいのに、各部の名称や操作に外来語を引きずっている日本の現状は、なんとも悲しいなあ…と思う『理屈コネ太郎』。

あ、因にヨットは今は瀬戸内にあって、横浜ボートショーのあとくらいから色々な事が動き始めて4月中にはホームマリーナに到着すると思う。

なので、ヨットにのるのはまだまだ先である。今のうちにテキストをいっぱい読んで座学だけでも仕上げておきたい。

今回は以上

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