生きていると、思いがけない「罠」に出会う。その原因のひとつは、学校で人生の罠について教えないことにある。日本の公教育では、社会の実相を体系的に学ぶ機会がほとんどない。そのため、社会に出てから戸惑い、気づかぬうちに罠にはまる人が多い。
たとえば、私は30代まで確定申告の存在を知らなかった。収入と所得税の関係に無頓着で、「もらったお金の範囲でやりくりすれば問題ない」と考えていた。利息や手数料の仕組みも理解せず、借金は無いほうが良いと単純に信じていた。しかし、社会人大学院で貸し手の視点を学び、繰り上げ返済が必ずしも有利ではないことを知って驚いた。
世の中には、知識のある人なら決して選ばない選択肢を、何食わぬ顔で消費者に選ばせる「合法的な罠」が無数にある。相手の無知や勉強不足に乗じて利益を得る仕組みは、社会のあらゆる場面に巧妙に組み込まれている。
もちろん、選択肢の多い社会は望ましい。しかし、その選択肢の質に大きなバラつきがあり、知らなければ損をする仕組みがあるのは問題だ。振り返れば、私も数多くの罠にはまり、支払わなくてもよいお金を支払ってきた。
人生をより良くするために、社会のカラクリを知り、自分の選択肢を見極める力を養おう。
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