初心者が独学勉強を成功させる秘訣|全体像から入れば失敗しない

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全ての独学初心者に

大人になっても、何かを学ぶ必要性を感じる事は多い。むしろ、社会を経験したからこそ学びの必要性を感じる事が出来る。何故なら『独学が人生を決める!学び続ける力が未来を拓くる』の記事で述べたとおり、独学は能力や受容力を高めるからである。しかし大人は多忙で孤独だ。大抵の学びは独学ということになる。独学で何かを学び始めるとき、誰しも一度は「何から手をつければいいのか」と途方に暮れる瞬間を経験する。ネットや書店には「これが最短ルート」や「挫折しない方法」と銘打った教材が山のように並んでいるが、その多くは細部からいきなり入るような作りになっている。

だが、私は思うのだ。
最初にやるべきことは、「細部を積上げること」ではなく、「全体像に慣れること」だ。今から自分が学ぼうとする分野はこういう構造になっているのだ…と漠然と理解する事が大切。


なぜ全体像から入るべきか

人間の理解とは、何らかの「構造」や「枠組み」の中に情報が整理されて初めて機能する。地図を持たずに街を歩いても方角を見失うのと同様、学びにおいても全体の地形――つまり、どんな分野で、どういった領域があり、それぞれがどうつながっているのかを掴むことが、その後の吸収効率を飛躍的に高める。

「理解できない」のではない。
「置き場がない」のだ。

全体像という“地図”がないと、入ってきた情報が行き場を失い、結果として記憶にも定着しにくい。だからこそ、初心者ほど細かい部分からではなく、大づかみに「全貌」を捉える必要がある。


知識は“地図”の上に配置するもの

私たちが新しい街に行くとき、まず全体の地図をざっと眺め、駅や通りの配置を確認しようとする。それと同じで、学びもまずは鳥瞰図が必要だ。

たとえばプログラミングを学ぶとしよう。
「関数とは何か」「変数とは何か」から始めるのもひとつの方法だが、それ以前に「そもそもプログラムとは何をするためのものか」「フロントエンドとバックエンドの違いは何か」「言語ごとの用途は?」といった上位の概念レベルでの理解がなければ、細部は空中に浮いたままになる。

初心者の独学で挫折する原因の多くは、「分からない」ことそのものよりも、どこにいるのか分からないという迷子状態にある。


全体像に“慣れる”というアプローチ

ここで私が「全体像を掴む」ではなく「全体像に慣れる」と表現しているのには理由がある。
最初から完璧に理解しようとすると、また別の落とし穴にハマるからだ。

全体像とは、言い換えれば雑に俯瞰する感覚に近い。
うろ覚えでもいい。「こんな感じか」と思える程度で十分。重要なのは、未知の風景に対する心理的ハードルを下げることだ。

そうして全体にうっすら慣れた後で、各部分にピントを合わせていけばよい。
知識は、最初は“ぼんやりとした絵”として始まり、次第に焦点が合っていくものなのである。


初心者が独学を成功させるために

独学とは、言い換えれば「教師のいない学習」である。
だからこそ、自分で進む方向や順番を決めねばならない。だが、最初から正しい順番で学べる人は少ない。多くの場合、手探りの中で進むしかない。

そのとき、唯一の拠り所になるのが「全体像」であり、それに慣れ親しんでおくことだ。

これは、逆説的なようだが、効率を求めるならまず「効率を求めない」ステップが必要だということでもある。全体像に慣れるのは、決して遠回りではない。それこそが最短ルートになるのだ。


終わりに

初心者にとって、独学は心細い旅だ。
けれど、地図を片手にすれば、道に迷っても方角を見失うことはない。
細部の理解はその後にじゅうぶん可能になる。

まずは全体像を掴もう。そして、慣れよう。
それが、独学を成功に導く最初の一歩である。

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