動力喪失で初めてBANに救援要請

先日、ヨットをシングルハンドで操船中に初めてBANに救援を要請したので、今回はそのお話。(BANの詳細はココをクリック)

何が起きたかを超ザックリ説明すると、シングルでセイリング練習を終えて帰港のために機走中、中間層に浮遊していたであろうそこそこ太いロープがプロペラに絡んだだめ推力を喪失して帰港できなくなった。

そこで仕方なく、BANに救援依頼して曳航してもらい怪我も大きな艇の損壊もなく帰港できた…って感じ。

救援要請を決断したのはホームマリーナまであと800メートルくらいのところ。

もちろんロープが絡んだ事は、帰港して船を上架して初めて確認できた事である。BAN要請時には、とにかくエンジンは懸かるのだが、回転数が上がる事もあるし、エンストする事もあるし、回転が上がったとしても推力が全くでない…しか認識できていなかった。

プロペラに何かが絡んだかか、あるいはプロペラが脱落したか…と想像はしてみたが、検証のしようもないし、どうにもならない。

打つ手なし。

救援要請しかない。

それはともかく、今回の件で骨身に沁みたのは、BANに入っていて良かった事と、海上での携帯電話での会話は極めて不明瞭であること、そしてシャフト艇ではロープ絡みはそうと疑っても検証のしようがないし、たとえロープ絡みであっても復旧策はほぼないし、更にはロープ絡みを防ぐ方法がないということ。(緊急用の船外機を積む事も検討中ではある…)

海上での携帯通話は、こちらの発話は風で通話相手、今回の場合はBAN本部の担当者、にとって風の影響で極めて聞き取り憎い。

それと、救援を求めている状況では、現状維持のために手足を動かて艇を操作する必要があるので、電話をするためだけに集中力と腕一本を割く余裕がなかなかない事。

BANの人は当方の位置を緯度経度で訪ねてくるので、すぐにこれに返答できる用意が必要である事。

他にも、ひとつひとつは小さいけれど、膨大な数の教訓を得た体験だった。

もうひとつの愛艇Merry Fisher 895 Sportは2基掛けの船外機艇なので、プロペラを海面より上に挙上して目視でロープ絡みを確認したり、そうとわかれば絡んだロープを解いたりカットしたいりと対応できるが、岸から数百メートルの海域でインボードエンジンのヨットにこれが起きたら、風上にバウを立てる事が出来ないので、セールを挙げて帆走に移行しようとしている間に岸壁に衝突するか座礁するかしてしまうかもしれない。

今回、実際に砂地にキール下端が少し乗り上げ、すこしだけ座礁もした。

ボートとヨットに乗っていて、外部に救援を求めたのは今回が最初だった。やはり、エンジン一基ではいつかは推力消失が起きるのである。

起き得る事故は、いつか必ず起きる。

その蓋然性を低くするか、起きたときの応急対応策を作っておかねばならないが(後者がBANであるとも言えるが、救援を念頭に置くのはなんだか性に合わない気もするし…)、現状はすべて「検討中」である。

今回のような怪我も損壊もない小さな事故は、今後発生しえる大きな事故を予防するための教訓と捉えたい。

それなりの事故が発生したら、余力の少ないシングルハンドでは回復できず、遭難として社会に迷惑をかけてしまうから。

勿論、安全な場所で錨泊できれば潜るという行動もあり得るが、乗員の体力と集中力が十分に残っていて、海況的にかなり条件の良い環境下でのハナシだろう。

とはいえ、ロープ絡みのごく初期であれば、ロープ絡みかも?と疑った段階でプロペラを逆回転させる事でロープがほどける可能性が無くはない事をマリーナスタッフから教えてもらった。

今回の事に関して、唯一の今後確実に実行可能なヒントであった。

今回は以上。

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