大腸内視鏡挿入法のヒント③ フード使用する?

大腸内視鏡挿入法のヒントとして、フードなしでの挿入の有用性について本ページでは説明する。

以下、『理屈コネ太郎』の管見での私見である旨を銘記して読み進めていただきたい。

結論を先に述べるなら、先端フードは使うのも使わないのもお好みで大丈夫!

『理屈コネ太郎』の周囲の内視鏡医は殆どがフード装着派で、非装着派は私自身を含めて少数である。

フード装着については、指導医の下で検査するときにはその指導医の方針に従って、1人で検査が出来るように状況であれば装着したりしなかったりを自分の感触で決定すれば良いと思う。

因みに、『理屈コネ太郎』がフードを装着しない理由は、フード装着によってスコープ先端部の径が太くなり、蠕動等で半月ヒダが閉じていたり虚脱した腸管の粘膜同士が近接視している場合(要するに管腔が閉じている場合))などで、腸管壁とスコープ先端が垂直に近い角度で接触する蓋然性が増加して、その結果、腸管を意図せず伸長させてしまうから。

スコープ先端部が半球状に鈍で径が細ければ、腸管壁に対して垂直に力がかかる蓋然性が低く腸管を伸ばす事もないのだが、そういう内視鏡は一般的には使用できない。

なので事前のサクとして、スコープ先端径を出来るだけ小さくする意味でフードは用いない事が殆ど。

それから、フードによって太くなった先端を肛門に挿入する際に疼痛を訴える人もいることも理由。

加えて、これが本当の理由かも知れないが、フード装着で挿入すると、小さな便がフードとスコープ先端の空間に入り込んで、なかなか排除できない事があり、視野を絶妙に邪魔してイラっとする事があるから。

一方、『理屈コネ太郎』が見聞したフードのメリットは、スコープのレンズと粘膜の直接接触を防いで近接観察が容易になるとか、ヒダをめくり易いとか、色々と数多い。

なので、指導医と一緒に検査するときは指導医の技術を吸収する意味で指導医の方針を真似して、自分1人で検査を任された時にはフードの有り無しの違いを自分自身の体感で会得して欲しい。

若い内視鏡医が上達するにはとにかく症例を重ねて、思考と試行と検証を繰り返し、出来るだけ苦痛がなく検査時間の短い手法を自分なりに編み出していくしかない

自分より上手に検査している人の全てを参考にしなくてはならないが、取捨選択はあくまで自分の判断で自分なりの手法を編み出してほしい。

以上。

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