大腸内視鏡挿入法のヒント⑦ 肛門からの挿入長と腸管の伸び

大腸内視鏡挿入上達のヒントとして、からのスコープの挿入長と腸管の伸長の差を意識することの意味を説明する。

以下、あくまで『理屈コネ太郎』の管見内での私見である旨を銘記して読み進めて欲しい。

S状結腸と横行結腸で顕著であるが、腸管はスコープとの摩擦によってプッシュ操作で伸長しやすいので要注意だ。

スコープを肛門から5㎝挿入したとする。しかし、スコープと腸管壁との間の摩擦によって腸管が3㎝伸長した場合、スコープの実質的挿入長は2㎝だけという事になる。

この摩擦による腸管の伸長を防いだり、伸長した腸管を出来るだけ生理的な長さに戻すには、潤滑ゼリーを多めに使用する、ジグリングやスコープのローテイションによってスコープと腸管壁の摩擦を低下させる(静摩擦から動摩擦へ変化させる)。あるいは水浸法のようにスコープと腸管壁の物理的接触をなくしてしまう…など色々と方法はある。

内視鏡検査施行中は、ときどき何センチ肛門以深に内視鏡を繰り出したかをみておこう。思ったより肛門以深に繰り出していると思ったら腸管を伸ばしてしまっているサインかも。

内視鏡を肛門より奥に繰り出す事で、腸管を伸長させる可能性がある事は常に年頭において検査しよう。

今回は以上。

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