日本は久しく少子化との戦いを続けている。この現象の原因は多方面的に論じられているが、根本的な要素は結婚数の低下であり、その原因は恋愛適齢期の人達が恋愛をしなくなった。つまり、恋愛事象数が現象したことによる。それは恐らく、恋愛適齢期の人々にとって、恋愛の魅力が相対的に低下したことに起因している。
恋愛の魅力は相変わらず誘惑的である。しかし、恋愛適齢期の人達の手持ちの時間や金銭、エネルギーを投入する恋愛以外の対象が豊富に存在している現代、恋愛事象数の低下は不可避である。
かつての日本では、貧しさ故に婚姻関係を結ぶ人も多かった。実際、一人では生活が大変であっても、二人で生活すればどうにかヤリクリできる時代があった。
しかし現代では、衣食住の質を落としても自身の趣味や興味に邁進する人が増えている。
ここで誤解してはいけないのは、「家でノンビリと動画を見ながら過ごす」という行為も、その人の趣味の邁進である可能性があることである。
趣味に邁進するということは、必ずしもアウトゴーイングな行動を意味せず、他者との出会いや交流が必要ということはない。ネット上だけの友人で満足する人達だっている。
また、コンビニやコインランドリーなどのサービス産業の充実も、生活の作業分担を前提とした旧来の結婚生活の意味を低下させた。
さらに、有名人の結婚が必ずしも幸福な結末ではなかったり、悲しい現実に帰結したりすることがメディアなどで報じられたり、結婚適齢期の親世代も実は修羅場の結果として離婚していたりすると、結婚の前提となる恋愛の意味そのものに疑問を感じる人が増えたように思われる。
かくして、日本は人口減少へと移行しつつある。しかしながら、人口減少は日本人的には全く恐れるに足りない現象だと思う。
不足する労働力は、税制や社会保障費の改正で働き控えを解消することと、ICTやAIやロボットを使って補うことで生十分にカバーできると思う。
とはいえ、日本の生産性が維持あるいは向上しても、日本人の人口が現象の一途をたどれば、日本人が地球上から消えると心配する人もいるだろうが、それはたぶん起こらない。
なぜなら、税体系や社会保障費がそれなりに適切であれば、恋愛の魅力に最も強く誘惑されて、異性(同性の場合もあるだろう)と愛し合い、結婚してもしなくても子供を作る人(養子縁組したり)はそれなりの比率で存在するからだ。
くわえて、もう少しすると(今は2024年12月)、高齢者が大量にこの世から卒業する時代がやってくる。そうなると、色々な旧弊から解放された人々がヒャッホーとハイな精神状態になって、恋愛の魅力が再発見されて恋愛事象発生数が増加に転じたりするかも知れない。
今回は以上。
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