大学で心理学の単位を取って資格を取ろう。

心理学は広大な学問領域だ。でも心理学部あるいは心理学科を持つ大学なら、心理学の専門家を名乗るに十分な知識を体系的に学ぶ事が出来る。

ところで、ここでいう心理学とは、ビジネス書や恋愛指南書などで著されているような、好奇心半分以上、うまく事が運んだらラッキーという、チャライ類のものではない。

ここでいう心理学とは、アカデミズムの作法に則った、学問としての心理学である。

なぜアカデミックな心理学なのかと言えば、まずエビデンスベースであることと、大学や大学院で単位を修得しておけば、それは認定心理士、臨床心理士、公認心理士という、心理学についての公的色彩の強い資格を取得する道につながるからである。

認定心理士は日本心理学会が、臨床心理士は日本臨床心理士資格認定協会が、公認心理士は国が、それぞれ認めた、出自の明確な資格だ。

ではなぜ、こうした資格を持つ意味があるのか。それは、今日の社会には心理学の知識と手法でなければ解決しえない問題が潜在的に山積しているからだ。即ち、まだあまり多くの人が気付いてはいないが、社会には心理学的手法による問題解決への需要が実は非常に高いのである。

たとえば、認知行動療法は科学的に実効性のある手法であり、これは心理学専門家が行う手法であるが、まだまだ社会における認知度は非常に低い。

職員が職場ストレスを原因とするうつ症状でひんぱんに退職する会社の人事ですら、認知行動療法という手法の存在を知る人は、私の知る限り皆無だった。

いまだ潜在的だが需要は大きい。

この需要に応える能力と意欲を持つ人なら、社会で活躍できる機会は今後増えていくだろう。特に、心理学的手法の有効性に多くの人が気付く前に知識&スキルを獲得しておけば、先行者利得を取る事も可能である。

ただし、少しだけ残念な事をいうと、認定心理士は勿論だが、臨床心理士も公認心理士も現時点では独立開業はなかなか困難である。この資格だけで独立して生計を維持するのは現状では厳しい。

会社なり病院なりに就職をして、そこで活躍するケースが多いだろう。しかしその場合でも、専門スキルがないサラリーマンとは異なり、会社へのアピールの仕方にもよるが、こうした資格は強力な武器として使えるはずだ。

何故なら、人の心をラクにしてあげられる専門知識だから。

それから、何かの分野で専門家になる事は強力な武器になる。ただし、その専門家としての能力を担保する資格や、その資格がどのような団体から発行されているものなのかには注意が必要だ。

民間団体から発行されている民間資格は玉石混交なので、注意が必要だ。

是非、多くの優秀でやる気のある人には頑張って心理学を勉強してもらい、社会の様々な心理学的問題に果敢に取り組んでもらいたいと思う。

ところで、認定心理士は日本心理学会が認定する資格だが、この資格は大学レベルの心理学専門教育を修めたことを日本心理学会が認定するもの。

すでに学士を持っている人なら、科目履修等で必要な心理学単位を修得し、それをもって日本心理学会に申請すれば、認定心理士を取得できるはず。

私の調べた限りでは、放送大学が1番コスパが高く、また授業内容や科目選定アドナイスも親切丁寧だと思う。

最初の進路として選ぶもよし、社会人をしばらくやってから第2の武器として学ぶもよし。

とにかく、お奨めの領域と資格である。

今回は以上。

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