胃内視鏡検査の基本|粘膜異常は可能な限り生検を

以下、いつもの通り『理屈コネ太郎』の管見による私見である旨をご銘記のうえ、読み進めていただきたい。

消化器内視鏡検査全般に言えることだが、粘膜異常がみられたら、施設の方針と矛盾しない限り、可能な限り生検するのが『理屈コネ太郎』の考えだ。

その理由の一つは、医師は比較的頻繁に職場を移動するためである。

定年まで一つの施設に勤務し続けるなら、肉眼所見のみで診断し、生検の必要がなければ実施しない判断も許容されるかもしれない。

しかし、肉眼的に良性と見えた病変が、病理学的には悪性であったケースは決してゼロではない。

仮に、医師が退職した後に、過去の内視鏡検査で良性と判断し生検を行わなかった病変が後に悪性と診断され、カルテを遡る必要が生じた場合、残されたスタッフが「退職した医師の肉眼診断のみ」を根拠に抗弁するのは難しい。

一方、生検を行い、病理診断で良性と確認されていれば、それは見落としではない明確な証拠となる。

もちろん、病理診断も完璧ではないが、それは別の問題であり、少なくとも内視鏡医としての業務は適切に完了していたと証明できる。

生検結果は必ず確認しよう

生検を実施したら、病理結果は必ず確認しよう。たとえバイト先のクリニックでも、お願いして結果を見せてもらうことが重要だ。

肉眼所見と病理診断を突き合わせることで、内視鏡診断の精度が向上する。この作業を繰り返すことで、本当の意味で肉眼診断のスキルが身につく。

自分の診断力に自信がつけば、責任をもって生検の要否を判断できるようになるだろう。

狙撃生検のスキルを磨こう

生検は内視鏡検査や治療の基本的な技術であり、とくに狙撃生検の精度を高めることは、新人内視鏡医にとって極めて重要だ。

ただし、指導医によっては「無駄な生検はするな」と指導するケースもあるので、施設の方針に応じた判断も求められる。

以上。

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