サイモン・ベニンガ著『ファイナンシャル・モデリング第4版』

本書は知る人ぞ知る名著であり、1000頁超の厚い本である。内容もまた厚くて濃い。

私『理屈コネ太郎』の理解では、ファイナンスとは施策に伴う各種の”費用”に加えて、”金利”・”手数料”・”税金”に注意を払いつつ、どのような種類の資産をどのような比率でどの期間所有するかを検討するのが効率的かについて合理的説明を求める学問だと思っている。

この本の白眉は、4つのリスク資産でポートフォリオを作成し、効率的フロンティアをExcelを用いて計算する手順を示している点であう。なんとあのアンブレラ(包絡線?)も描出してみせてくれるのである。

またまた『理屈コネ太郎』の管見で恐縮だが、4つのリスク資産ポートフォリオでこれら計算が出来れば、同じ手順で5つ以上のリスク資産ポートフォリオも計算できるはずだ。

日本語で記述された書籍でここまで内容を持つファイナンスの本、いやむしろExcelの能力の高さをこれほど丁寧にみっちりと示してくれる本は他に見当たらない。

私はファイナンス専攻で修士を取ったが、実はあまりファイナンスそのものには興味がない。むしろ、本書で示されるようなExcelの能力に大きな可能性を感じているのだ。

ファイナンスであるレベルの実務家を目指すなら、本書できちんと勉強するのは良い事だろう。しかし『理屈コネ太郎』と同様に、Excelで実際にどういう事が出来るのか、Excelが与えてくれる可能性だけに興味があるのなら、「へえ~」とか「こんな事もできるんだあ」って感じてパラパラと軽く目を通すだけでも十分だと思う。

でも、そんな読み方でも、この本は本当に面白い。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です