ストレスフリー問診法④ とにかく良く喋る患者の初診

以下はいつものように『理屈コネ太郎』の管見による私見である旨をご銘記のうえ読み進めていただきたい。

とにかく良く喋る患者の初診にも大変難儀する事がある。不要な情報と想いを頭と胸に一杯いっぱい貯めて受診するのだろう、とにかく堰をきったように色々な事を要領を得ずに良く喋る。

大体、無職のまだ元気な高齢者に多い印象。

ストレスフリー問診法① 初診時』で述べた①主訴とその程度、②問題意識の所在、③本人の希望 以外の不要な情報を思いつくままに喋る。

だから、こうした患者には絶対に適切なタイミングで医師がカットインして話しを上手に聞き出す必要があるのだが、患者は発話に夢中になって医師がカットインしても気付かなかったりする。

難聴とか認知症とかではなく、とにかく医師に自分の話しを良い意味でも悪い意味でも伝えないでは気がすまないって感じで喋る。

待合しつに誰もいないような時間に余裕がある時ならば、そのような患者の話を傾聴するのも医師として人間として勉強になるのだが、他の患者が大勢待っている状況ではそうもいかない。

とにかく、診療時間内に受付した全ての患者の診察を終えなくてはならないのだ。看護師には子供を迎えに行ったり、ごはんを作ったりしなくてはいけない母親も少なくない。

そこで、こういう自分の発話に夢中になってしまう人に対しては、医師はすこし大きなゆっくりした身振りで、患者に視覚的にわかるようにカットインの態度を示すと良いだろう。

ただし、その時の身振りと表情と口調は、柔和で受容的でなくてはならない。

柔和かつ受容的にずっと視線を合わせておくと、患者もこちらの身振りの変化に気付きやすいので、目線を合わせる事は有効な手段である。

『理屈コネ太郎』は正直に待合室に患者が大勢いるのでお話しを全部聞く事ができませんから、要点だけに絞らせて下さいと言う事もある。

患者は自分の順番がくればどれほど時間を占有しても構わないと考えているフシがある。

しかし、医療機関では待合室で待つ患者の体内では何が起きているかは分からない。しかしだからと言って、診察室を追い払われたという印象を患者に与えてはいけない。

内容は明解かつ簡明に、しかし態度と口調は柔和かつ受容的に、要点だけに絞らせて欲しい旨をカットインして伝えても良いと『理屈コネ太郎』は考えている。

管見で私見で恐縮だが、日本には直截的に物事を言ったり表現したりするのが失礼であるとの考え方が根強くあると思う。しかしそれは言う方の心の在り方と口調と態度でどうにでも印象を変えられると『理屈コネ太郎』は思っている。

怒気や不快の念を言葉や態度に表して端的に言うからカドが立つし患者も立腹するのだ。

また患者は自分が話したい事は全て重要で意味があると考えている。だから、医師にとって診察上はそれらがあまり重要でないとか無意味であるとかを伝えるときは、決して失礼にならないように、しかし明確に今は不要な情報である旨を伝えるべきだと『理屈コネ太郎』は考えている。

以上。

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