ノートe-POWER 4WD 10万キロ乗って思う事

日産ノートe-POWER 4WD(以下、ノート)の走行距離が10万キロを超えたため、このクルマに関する理屈コネ太郎としての感想を述べたい。

まず、ノートの欠点について触れておきたい。それ以外の点ではノートはほぼ完璧なクルマである。その唯一の欠点とは、スポーツカーらしい要素がまったくないこと。この点だけが気になる部分だ。

それ以外の性能は満点だ。燃費、走行性能、走破性、小回り、安全装備、積載性能、乗り心地、4人乗れる、端正なスタイリングとどれを取っても素晴らしい。高速道路から下町の狭隘な道、山間部の私有道路まで、ノートは実によく走るし、電動車特有のスムーズな乗り心地と見切りの良さで、長時間の運転でも疲労を感じさせない。

さらに驚くのは、10万キロを走ったにもかかわらず「ヤレた感じ」が全くないことだ。ダンパーは5万キロの時点で気まぐれで新品に交換したため、現在のダンパーの使用距離は5万キロ程度なので、それを差し引いても、この新車感は特筆ものだ。もっとも、新車購入から2年半しか経っていないから、もしかしたら当然のことなのかも知れないけど。

ちなみに、最近私が乗った車で10万キロ走れたクルマはほとんどなかった。

ノートの前に乗っていた車はプジョー208だったが、これは約7万キロで全損事故により廃車となった。その前のシトロエンC3は約8万キロでタイミングベルトが切れ、ピストンにバルブがあたってしまった。修理費用を考慮して買い替えを選んだ。そのさらに前の車の前の代のシトロエンC3も7万キロ程度でトランスミッションが故障し、同様に買い替えることになった。

さらにさかのぼると、BMW E36 M3では14万キロほど走行した。ガンガン乗ったためか、小さなトラブルが多く発生し、その結果、約20年にわたり倉庫に保管する形となり、現在は正規ディーラーに依頼して公道復帰作業をしている(ココをクリック)。

これまでの経験からすると、多くの車は10万キロに達するまでにエンジンやミッション、デフのマウントなどに「隙間」や「ガタ」を感じるようになる。しかし、ノートにはそれが一切ない。

駆動用エンジンやミッションがないから当然といえば当然なのだが、それらがなくてもクルマとしての用を十二分に果たしてくれている。

室内では、操作系のカッチリさ、乗り心地、加速時の安定感、どれを取っても新車時と変わらない印象を受ける。

ノートのシリーズハイブリッドは、発電用エンジンとバッテリーを組み合わせ、発電エンジンの出力を超えるシステム出力を一時的にでも実現している。この仕組みにより、モーター駆動のメリットである優れた加速性能と疲れにくい乗り心地を両立している。しかもBEVのように充電に長時間かかる事もなく運用のしやすさはガソリン車と同じ。

当初は、最初の車検を迎える前に買い替える予定だったが、あまりにも欠点が少なく、10万キロ走行しても「ヤレ」を感じないし、これ以上のクルマが見当たらないので買い替えを躊躇している。このまま車検を通して乗り続ける可能性が高い。

結論として、スポーツカー的要素を一切求めていないユーザーにとっては、ノートは非常によくできた、満点の車だと理屈コネ太郎は思う。環境性能とは全く無関係に、日産のシリーズハイブリッドはクルマを良くする技術だと思う。

仄聞するところ、直近の日産の決算は宜しくないらしい。残念である。

日産は、FRベースの四駆であるGT-Rを自前で開発製造し、簡単運用の電動車をe-POWERで実現し、更に超絶精緻なトラクションコントロールをe-POWER 4WDやe-4ORCEで市販車に実装したスピリットと技術を持っている…と理屈コネ太郎は思う。

もっと素朴に日産らしい良いクルマを、そのスピリットと技術で突き詰めていけば、日産にしか歩み得ない活路が必ず開けるはず。だって実際、自前の技術で他社が全く太刀打ちできない素晴らしいクルマを作っているのだから。

今回は以上。

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