ハイドロフォイルサーフィンの人力テイクオフ|SUPパドリング&ドックスタートの解説

ハイドロフォイルサーフィン(以下、フォイル)を独学で習得するうえで、人力だけでボードを離陸(Take-Off)させるのは極めて難しい。若いマッチョな男性ですら苦戦するほどのハードルがあることを、別の記事でも触れた。

一般的な人力Take-Offの手法として**SUPパドリング+ポンピング(Pumping)**がある。この方法は、上手な人がやっているのを見ると簡単そうに見えるが、実際にやってみると、その難易度の高さに愕然とする。


Contents

SUPパドリング+ポンピングが難しい理由

1. ボードの上に立つこと自体が困難

この方法に適したボードは100L超の浮力を持つが、Take-Offのために細く作られているため、普通のSUP経験者でも立つのが難しい。体幹が強くないと、ボードの上に立つことすらできない。

2. パドリングで直進しにくい

SUPのように片側ずつパドリングするため、ボードが真っ直ぐ進みにくい。右側を漕げば左へ、左側を漕げば右へ進むため、直進させるにはスキルが必要になる。

3. 強烈なパワーとスタミナが必要

Take-Offにはフルパワーのパドリングを最低十数回行う必要がある。これは50メートルダッシュ並みのエネルギー消費に匹敵し、シニア世代には非常に厳しい。

4. パドリングとポンピングの協調が難しい

Take-Off後はポンピングだけで推進し、揚力を確保できるが、水面にあるボードを浮かせるにはパドリングとポンピングを連携させなければならない。

特に水面にあるボードは上下方向の動きが制限されやすく、水とボードの間に陰圧が発生するため、ポンピングがそもそもやりづらい。仮にポンピングができたとしても、Pumping単独では水面のボードを浮かせるのに不十分なことが多い。

それでも、この方法でのTake-Offはフォイルの醍醐味であり、究極の目標であるDownwindでの長距離遠征を行ううえで欠かせないスキルだ。そのため、練習を続けつつ、もう一つの方法も試したいところである。


ドックスタートという選択肢

こうした難しさを考えると、**別の人力Take-Off手法として「ドックスタート」**が有力な選択肢となる。

ドックスタートとは?

桟橋などの陸上から助走をつけたり、蹴り出したりして推力を生み、ボードを浮かせる方法だ。一度Take-Offすれば、あとはポンピングのみで推進と揚力を維持できるため、体力が続く限りフォイルを楽しめる

ドックスタートの課題

  • 適した桟橋を探すのが大変
  • 落水後に水中から桟橋に登るのが大変な場合がある

フォイルは難しい。でも挑戦したくなる

ハイドロフォイルサーフィンは、やるべきことが多く、難易度も高いスポーツだ。正直なところ、ときどきウンザリするほど大変で、「もう無理じゃないか?」と思うこともある。

しかし、それと同時に、**「次こそ成功させたい」**という闘志も湧いてくる。

パドリング+ポンピング、ドックスタート――いずれにせよ、フォイルを本気で楽しむなら避けて通れないスキルだ。練習を積み重ね、少しずつクリアしていくことこそが、このスポーツの醍醐味なのかもしれない。

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