メーカーオプションとリセールバリューの真実

本記事では、リセールバリュー(以下、RV)を向上させる目的でメーカーオプション(以下、MO)を装着することが、常にコストパフォーマンス的に優れているのかを考察する。

なお、以下は理屈コネ太郎の独断と偏見による私見である。理屈っぽい長文なので、その手の話が苦手な人は『GRヤリス関連の諸ページ』に移動するのが吉。

さて、『理屈コネ太郎』が所有するGRヤリス(2020年式1st Edition)は、安全運転支援装置やナビといったMOを一切装着していない。2024年のマイナーチェンジでは法改正により安全装置が必須になるようだが、当時はRVの観点からこれらのMOがコスパに優れないと判断したため、あえて装着しなかった(本当は理屈コネ太郎の懐具合が寒いのが理由なのだが…)

RVを考えずにクルマを買うのも一つの選択肢だが、限られた資金を有効に使うことを考えれば、RVを意識した購入は推奨されてしかるべきだろう。何せ、クルマ以外の遊びにもキャッシュは必要だし、生活の質の向上や将来のリスクに備えるために、貯蓄や投資も欠かせない。同じJoyを少ないCostで実現できるなら、それは消費者的立場では喜ばしい事である。

そこで、新車購入時に納車後には後付けできないMOを装着することでRVを上げるという戦略が成り立つ。しかし、それは常に正しいだろうか?

Contents

クルマの価格低下とMOの関係

クルマは購入した瞬間から価値が下がるのが一般的だ。ヴィンテージカーのように価格が上がる特殊なケースはここでは除外し、購入後7~8年以内のRVについて検討する。

ポイントは、クルマ本体部分とMO部分の価格低下の割合が同じなのか、異なるのかという点だ。もしMOの価格低下の割合が本体部分より小さいなら、新車購入時にMOを多めに装着するのも合理的だ。しかし、そうでないならMOの装着は割に合わない可能性がある。

例えば、新車時にクルマ本体が100万円、MOが50万円で計150万円のクルマを購入し、数年後に90万円で売却できたとしよ。以下で、売却価格の評価内訳をいくつかのケースに分けて考察する。

内訳ケース1:クルマ本体60万円、MO30万円と評価された場合

RVの低下割合は本体・MOともに60%で、MOへの投資効果はまずまず。

内訳ケース2:クルマ本体50万円、MO40万円と評価された場合

MOのRV低下が小さく、MOへの投資効果が良好で、MOを新車時に追加した意味がある。

内訳ケース3:クルマ本体80万円、MO10万円と評価された場合

MOのRV低下が大きく、投資効果が悪い。新車時に追加したMOが殆ど価値をなくしている。MO追加は失敗と言える。

このように、同じ50万円のMOを装着しても、ケースによって費用対効果に差が生じる。特にケース3のようにMO部分の価格低下が大きい場合、RVを上げる目的でMOを装着するのは得策ではない。

GRヤリスRZHPはケース3?

『理屈コネ太郎』は、GRヤリスRZHPはケース3に近いと考えている。このクルマの核心的魅力は、ガソリンターボエンジン+MT+4WDの組み合わせによる走行性能にある。RVを意識してMOを装着しても、それが直接的な走行性能に関係しないなら、費用対効果は低くなる。

一方、例えば新型ノートe-Power(FF)はケース2に該当する可能性が高い。特にプロパイロットのようなMOはRVの低下が小さいと考えられるため、新車購入時に装着するのは合理的だ。プロパイロットが陳腐化する前に売却することで、高いRVを維持しやすくなる。

ただし、新型ノート4WDはプロパイロットの価値が高い一方で、2モーター4WDという新技術が本体価値に与える影響も考慮すべきだ。これにより、ケース2かケース3かは微妙なラインとなる。

GRヤリスRCはRV的に最適?

GRヤリスの中古市場を考えると、MTのガソリン車を選ぶユーザーがナビや安全運転支援装置の有無を重視するとは考えにくい。したがって、RVの観点ではRCグレードが最もコスパに優れる可能性が高い。

ただし、エアコンなどのMOは投資価値があるかもしれない。しかし、RCを買うような層が快適性を求めるかどうかは未知数だ。モーターサイクルのように快適性を犠牲にしてでも楽しむユーザーがいるのだから。

結論

『理屈コネ太郎』がGRヤリスを選んだ決め手は、モリゾーサインが入った1st Editionだった。モリゾーの心意気を買ったのであって、RVを考慮したわけではない。RVに影響しなくても後悔はない。

以上、懐事情でMOを買えなかった『理屈コネ太郎』の負け惜しみをお楽しみいただけたなら幸いである。

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