人生の罠①

生きていると多くの罠に出会う。その罠に人が嵌ってしまう理由は幾つもあるだろうが、いま思いつくのは、学校で人生の罠について教えていない事だろう。

どこの国でもそうかもしれないが、日本の公教育では人生や社会の実相についての教育がなされていない。

学校で教える内容と、社会の実相が大きく乖離しているから、よほど強運に恵まれていないと、人生の何処かで罠に嵌ってしまうのだ。

これを書くと「それはあなたが無知なだけだ」と言われるかもしれないし、実際にその通りかも知れないが、私は確定申告というものの存在を30代まで知らなかった。

今では、確定申告の徴税側から見た意味をある程度推察できるし、納税側からみた美点も見いだせるが、ある時期までの私は、収入と所得税という事に無頓着だった。戴いたお金の中で遣り繰りして生活を成立させていれば及第だと思っていたのだ。

だから当然、利息や手数料の意味をサービス提供者側の視点はもちろん、消費者の視点からも全く分かっていなかった。

その頃の私は”借金はしない方がいい。仕方のない借金なら出来るだけ早く返済する方がいい”、そんな今となっては意味不明な規律に従って生きていた。

社会人大学院になって、貸し手はビジネスでお金を貸しているのだから、借り手の都合で借金を繰り上げ返済されては困るという、提供者側の論理を知って驚いたのを覚えている。

社会は人の集まりだから、そこに集う人の全てに”Win Win”が望ましい。ところが、現実には相手の無知や勉強不足に乗じて自分だけWinになればよいと考える人達が少なくない割合で存在しているのだ。

ここでいう罠とは、違法な行いや仕組みのことではない。それは犯罪だ。ここでの罠とは、あくまで合法であるのだが、消費者が提供者と同じ知識を持っていたら絶対に選ばない選択肢を、何食わぬ顔で、いや時には熱烈な情熱をもって消費者が選ぶように誘導する仕組みや行為の事だ。

世の中にはそういう罠が沢山仕組まれている。全て合法で、知らない人、勉強不足な人が損するような仕組みが社会のあらゆる場所、人生のあらゆるステージにひっそりと散りばめられている。

私『理屈コネ太郎』的には選択肢の多い社会の方が良いとは思う。ただ、その選択肢の質にバラつきがあって、割と無視できない確率で質の悪い選択肢を選んでしまう事があるのは戴けない。

思えば、私の多くの罠に嵌って支払わなくてもよいお金を支払ってきた。

今回は以上。

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