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医学部受験の2つのリスク|親が知るべき現実とは
医学部受験は親御さんにとって誇らしい選択肢かもしれません。しかし、元医師である『理屈コネ太郎』の視点から、医学部受験には2つの重大なリスクがあることをお伝えしたいと思います。それは以下の通りです:
- 医師という職業が幸福や満足感をもたらさない可能性
- 医師という職業が経済的に不安定になる可能性
リスク1|幸福や満足感を得られない可能性
親御さんが「安定」「高収入」「社会的地位」といった観点で医学部を目指すよう促すのは自然なことです。しかし、現代の医師を取り巻く環境は非常に厳しいものとなっています。
医学部の学習がもたらす犠牲
医学部の学びは暗記が中心で、学生生活を豊かに楽しむ余裕はほとんどありません。18歳から24歳という貴重な時間が、過酷な学業に費やされてしまいます。
一部の学生はこれに耐えられず、医学の道を諦める場合もあります。この時期を他の有意義な活動に充てる選択肢もあることを考慮する必要があります。医学部6年間の勉強は、法則や定理などの科学的な思考とは趣の異なる、ほぼ暗記だけの世界です。医学の勉強が嫌いだと、留年を繰り返したり、場合によっては退学という事態にもなり、本人の心に瑕を残す事になりかねません。
初期臨床研修の過酷さ
国家試験合格後に待つ初期臨床研修では、多くの若手医師が過労やプレッシャーに苦しみます。命を守る仕事をする一方で、自身の健康を損なうという矛盾に直面するのです。
医師の日常業務のストレス
横柄な態度で不条理な要求をする患者、訴訟リスク、過剰労働など、医師の日常には精神的な負担がつきものです。これらの要素が幸福感を損なう原因となっています。
リスク2|経済的な不安定さ
「医師=高収入」というイメージはもはや過去のものです。
勤務医と開業医の現実
勤務医の年収は中の上程度で、過剰労働や責任の重さに見合っているとは言えません。一方で開業医は高収入の可能性がありますが、売上から設備投資や運営費用を引いた残額が実際の所得であり、経済的リスクが伴います。
職場との相性問題
これはどんな職場でもいえる事です。当然、医師にも職場との相性は大きな意味を持ちます。医師としてのキャリア成功は職場との相性に大きく左右されます。合わない環境では短期のアルバイト医師として働かざるを得ないケースもあります。
他職種への転職が難しい現実
医師のスキルは他業界での応用が難しく、転職市場での競争力が低いという課題があります。このため、一度医師としての道を選ぶと、他職種へのキャリアチェンジは非常に困難です。
親御さんへの提案
医学部受験は決して軽視できないリスクを伴います。親御さんとしては、医師という選択肢だけでなく、幅広い可能性を視野に入れることが重要です。子どもの才能や適性を見極め、最適な進路を慎重に考えることをお勧めします。
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