医師の所得は中の上、せいぜい上の下。

金持ちになりたいなら、医師という職業はあまり勧められない事を本ページでは説明する。

ここで言う金持ちとは、可処分所得(税金や社会保障費を全て払い出した残り)が2千万円程度以上で、かつ2回/年にそれぞれ1週間程度の休暇がとれる立場以上の事。

医師の求人では、常勤で税込み1千万円台が殆どで、診療科目や当直の有無などで上乗せが可能であるが、税込み3千万円の大台に乗る求人はまず見られない。

世間では医者が金持ちだと思われているようだが、医者が金持ちと思われているのは、昭和のある時期に実際に医者が裕福だった時代が本当にあったからだろう。

その事については当サイト内に『今の医師は金持ちではない』についてすこし丁寧に説明したので、詳細はそちらを参照して欲しい。

今の健康保険診療制度下では、医者は決して貧窮しないが、しかし冒頭で述べたようなレベルの金持ちになれないようになっている。

この制度下では、殆どの医師が生温くて居心地のよい経済状態を築けるような制度になっている。

何故かって?

これも『理屈コネ太郎』の推測だけど、国は殆どの医師を健康保険制度の枠組みの業務だけに従事させたいからだと思う。

あまりに医師の所得が低くて多くの医師が保険医療に見切りをつけるような制度設計では、医師は自由診療で自分のスキルを言い値で売るようになり国民は大変に怒って政権が倒れる。

一方、保険診療で医師が金持ち(上記の定義の)になるような制度設計では、保険診療はファイナンス的に破綻してしまう。すでに保険料だけでは間に合わないので、税金を投入しているのだから、保険としては破綻は既に起きている。

因に医療行為は極めて評価が困難なので、需要と供給がバランスするところで価格が決定されるような市場メカニズムはたぶん働かない。

だから、健康保険制度下での医療サービスをしていれば少なくとも困窮はしない制度を維持しているのだ。

え、よくわからないって?

じゃ、時間ができたらまた別頁を起こして、そこで詳しくやります。それまで待ってて。

さて、制度的な理由で医者が金持ちになれないとしたら、お金持ちになりたい医師はどうやってお金持ちになったらよいのだろうか?

『理屈コネ太郎』の解答はこうだ。保険診療で十分に活躍できるだけの知識と技術を身に着けたら、その過程で培った問題意識を使ってビジネスを起こすのだ。

注意して欲しいのは、保険診療で実施できる医療を、少し高級感を漂わせたサロン風な場所で高額な自由診療で展開するのは悪手である。

同じ医療内容なら、保険診療で済ませられる医療機関に患者は集まるのである。

クレバーな人は高級感や贅沢感だけにお金は払わないし、『理屈コネ太郎』の肌感覚では、高級感や贅沢間だけにエキストラマネーを払う人は訴訟するリスクも高い気がする。

最近は医師免許をとった直後にビジネスに進む人も増えたが、やはり医師の経験とスキルに基づいた問題意識で制度や仕組みの不備を改善するビジネスを起こすのが良策。

だって、その部分の確かな問題意識がなければ、医師免許を持ってるただの人に過ぎないから。

医師免許だけを持っているただの人が経営者となって臨床医を雇ってお金儲け目的でクリニックを運営する話を書いたページがあるので、興味のある方は当サイト内の『トンデモクリニック勤務体験談』をクリックして読んでみて。

医師が金持ちになる話にもどそう。

既述したように、保険診療では、医師は中の上くらいの所得しか得られない。

でも、もっとお金が欲しい。もっと子供に教育機会を与えたい。もっと安心で快適な生活環境を家族に与えたいと願う医師達も少なくないはず。その為にはもっとお金が欲しいと。

せめて上の中くらいの所得が欲しい…と。

こうした願いを持つ医師はどうすればよいのか?

常勤で働く以外に、研究日をつかってバイトに行く? 週末を使って日当直のバイトをする?

仮に毎日働いても、税引前所得3600万円位が保険で診療する医師の上限だろう。

自分の健康と時間をすり減らして所得を増やそうとしても、医師としてはそこいら辺が上限なのだ。

そもそもそんな心身をすり減らす仕事のために6年間も大学に通い全ての単位を取り、苦しい国家試験勉強をしたのではないはず。

もっと、自分の時間と能力を社会に還元して、そして自分自身も豊かな生活を送るために、この道を選んだのではなかったかな?

医師は診療報酬体系や療養担当規則や医師法や医療法などに拘束されていて、日々の診療とルール尊守で精一杯。長い待ち時間などの患者側の不満すら解消できずにいる。

患者側も、医療機関の融通の利かない硬直的なサービスにウンザリしている。

若い医師は長時間勤務で過労死したり自殺したりしている。

こうした医療者や患者が抱く苦悩や不満を解決するサービスをビジネスとして展開すればかなり大きなマーケットを取り込む事が出来るはずである。

現代医療は色々な問題が多岐にわたる理由で構成されている。医療者や患者の資質だけに原因を求められない悲喜劇が医療機関では毎日起きている。

健康保険で十分に通用するだけの技量と知識をもった医師が、その見識に基づいて現代医療の問題点、たとえば長い待ち時間、たとえば医療者の慢性的な高ストレス、などを改善するビジネスをスタートしたらどうだろう。

医者が医者でありながらビジネスパーソンとして成功すれば、医者でありながら金持ちになれる可能性がでてくる。税引き前1億円の年収を達成する可能性もある。

もちろん、ビジネスに失敗するリスクは付き物だ。しかし、リスクを取らなければリターンは望めないのはファイナンス理論的に当然の事実。

そして思いだしていただきたい。

健康保険診療で通用するだけの知識と技術があれば、ビジネスで失敗しても借入金額さえ大きくなければ再起は十分に可能であることを。

そお、保険診療で活躍できるスキルは大きな安全装置なのである。医師が医師として存在感を持つのは医師免許を持っているからではない。保険診療で活躍できる知識とスキルを持っているから。ここが、医師としての価値の下限値である。

繰り返すが、医師免許だけをもっていても、実社会ではなんにもならない。「へえ~、凄いですね」と言われるだけである。

医師免許だけを持っている人がビジネスで成功したとしたら、その人は医学部などに行かなければ、もっと早い段階で成功できた優秀な人なのだ。だから、6年という時間と膨大な学費を無駄にしただけとも言える。

今回は以上。

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