叱責とパワハラを生む心理|傲りと侮りの罠

指導と叱責の違い 職場における決定的な差では、叱責と指導の外形的な違いを具体的に示した。今回は、なぜ叱責が起こり、さらにパワーハラスメント(以下、パワハラ)へと発展するのか、その心理的な側面を解説する。

ここで述べるのは、あくまで私、理屈コネ太郎の経験則に基づく考察であり、学術的な心理学の知見ではないことをご了承ください。


Contents

叱責やパワハラを生む根本原因とは?

結論から言えば、叱責やパワハラは 「上司や先輩の傲り(おごり)や侮り(あなどり)」 に起因する。

「自分は上位者だから、部下や後輩に対して遠慮せず怒りや不快感を表現してもよい」という誤った認識が、叱責やパワハラ的な行動の原因である。

興味深いのは、こうした人々が 上位者には丁寧な態度をとる ことだ。つまり、完全に社会性を欠いているわけではなく、 「選択的に」傲りや侮りを発揮する という特徴を持つ。

もし、彼らが上司や先輩に対しても遠慮なく怒りや不快をぶつけるのなら、それは社会性の欠如した「野生の人物」だ。だが、ほとんどのパワハラ加害者は 「社会性はあるが、下位者には適用しない」 という中途半端な態度をとる。


上位者と下位者で態度が変わるのはなぜか?

人は、言葉だけでなく 態度や感情も敏感に感じ取る

たとえ言葉遣いが丁寧でも、相手を軽んじた気持ちが込められていれば、それは伝わるものだ。

私自身は賛同しかねるが、「パワハラは被害者がそう感じたら成立する」と言われるのはこのためである。

ここで誤解してはいけないのは、 怒りや不快そのものがパワハラの原因ではない ということ。

問題は 「下位者には怒りや不快をぶつけてもいい」 という傲慢な思い込みであり、それがパワハラへとつながる。

良識ある社会人なら、 上位者・下位者を問わず、自分の感情を適切にコントロールする ものだ。

しかし、叱責やパワハラを行う人は、 上位者には怒りを抑えるが、下位者には遠慮しない

この違いが生まれるのは、「上位者に対する態度と下位者に対する態度の差を当然だと考える」 認知の歪みによる。自分は下位者に対しては、その傲慢な態度をとっても良い立場なのだ…という歪んだ認知である。


叱責やパワハラを防ぐために

この 「上位者にはダメだが、下位者にはOK」 という誤った社会性を修正しない限り、どんなハラスメント対策も表面的なものに終わる。

この誤解は、 メタ認知(自分の思考を客観的に見る能力)を鍛えることで修正できる

重要なのは、 「傲りや侮り」は性格や気質ではなく、誤解に基づいている という点だ。

もし、これが「性格の問題」であれば改善は難しいが、 「社会や人間関係に対する誤解」 であれば、教育やトレーニングで改善できる。

そのためには、企業や組織の経営層がハラスメント防止の意識を持ち、教育を行う決断をすることが不可欠 である。


まとめ

✔ 叱責やパワハラの根本原因は 上司・先輩の「傲り」や「侮り」 にある
✔ こうした人は 上位者には怒りを抑え、下位者には遠慮しない
✔ 「上位者にはダメ、下位者にはOK」という社会性の誤解がパワハラを生む
✔ メタ認知のトレーニングにより、こうした認知の歪みは修正可能
企業の経営層が、ハラスメント防止のための教育を推進する必要がある

叱責やパワハラの本質を理解し、職場の健全な環境づくりに役立てていただきたい。


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