大腸内視鏡挿入の基本|初心者が達人の手技を真似るべきでない理由

大腸内視鏡の挿入手技は、習得が難しく多くの経験を要する。そのため、多くの達人が○○○挿入法といった名称で独自の手技を提唱している。しかし、初心者のうちはこれらの高度な手技を無理に真似しないほうがよい。

○○○挿入法は、熟練した内視鏡医が膨大な経験を積み重ねた末に編み出した高度な技術である。提唱者自身も初心者の頃にはこの手技を実践できなかったはずだ。したがって、初心者が無理に真似をすると、かえって進歩が遅れる可能性がある。

初心者がまず取り組むべきは、自身の挿入法を確立することだ。具体的には以下のポイントを意識するとよい。

1️⃣ 可能なら最近のCT画像を確認する
 ・肛門、直腸、S字結腸、SDJの位置、横行結腸の形状を確認する

2️⃣ スコープ操作の基礎を習得する
 ・プッシュ、プル、ジグリング、送気、吸引、送水(横行結腸までは真水を推奨)
 ・トルク、ローテーション、用手圧迫、体位変換などを組み合わせて腸管を進む

3️⃣ 現象を観察し言語化する
 ・プル操作で視野が近づく、プッシュで遠のくなど、操作と結果の関係を把握する
 ・検査終了後に日記をつけ、自分なりの法則を見つける

このサイクルを繰り返すことで、一定の水準に達し、盲腸までの到達率が格段に向上する時期が訪れる。速い人で50症例、慎重な人でも100症例程度で明確な成長を感じられるようになる。

この段階に達して初めて、先達の○○○挿入法を取り入れることで、より高度な技術習得が可能となる。

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