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1. 米国製品に潜む規格の違い
eコマースが発達した現代では、特にヴィンテージ品の場合、そうと意識せずに米国製品や米国市場向け製品を入手している場合もある。これらを組み立てたり分解したりする際、手持ちのミリ規格の工具がフィットしないことに気づく場合がある。この原因の多くは、製品に使用されているネジやボルトがインチ規格であるためだ。不適切な工具を無理に使用すると、工具やネジを損傷するリスクが高い。工具がフィットしない場合には、まず規格違いを疑うことが重要である。
2. ミリ規格とインチ規格の違い
工具にはミリ規格とインチ規格の2種類がある。ミリ規格は日本国内で一般的だが、米国製品や米国市場向け製品ではインチ規格が採用されることが多い。ミリサイズの製品にインチ規格工具は、またその逆は、サイズが非常にちかくても何となくフィットしない。不自然な感じが手に伝わる。こういう場合、無理に力を加えると、工具やネジを損傷する危険性がある。
3. ドライバーの規格に注意
プラスドライバーには「#1」や「#2」などの番号が振られており、ネジのサイズに合わせて使用する必要がある。日本のJIS規格のドライバーは一般的なプラスネジに適しているが、米国製品ではフィリップス規格やポジドライブ規格のネジが使用されていることがある。同じ番号でも規格が異なるとしっかりフィットせず、ネジの頭をつぶす恐れがある。
日本国内で販売されているプラスドライバーは基本的にJIS規格に準拠しているが、海外製品の修理や組み立てにはJIS規格が適合しない場合もある。特に輸入品や米国市場向け製品では、フィリップス規格のネジが使用されることが多いため、必要に応じて対応する規格のドライバーを用意しておくべきである。一方、マイナスドライバーには番号は振られておらず、先端幅と厚みで適合を判断する必要がある。
4. ヘックスとヘックスローブの混同に注意
ネジの頭に六角形の穴があるヘックス(=六角)と、星形の穴を持つヘックスローブは、名称が一部にているが全く異なる工具で先端の形状が異なる。ヘックスローブは六角形ではなく、丸みを帯びた星形で、トルクス(Torx)と呼ばれることもある。六角レンチとヘックスが同じであると意識していない人が、ヘックスローブを「ヘックス」と略してしまう場合がある。そのため、ヘックスという言葉を聞いたら、それが六角レンチを指しているのか、ヘックスローブ(=トルクス)を指しているのかを確認した方が良いだろう。
事態をややこしくするのは、量販店などではヘックスローブ(=トルクス)をヘックスという名称で販売していたりする事だ。混乱のもとである。
上記の商品は、工具そのものはヘックスロープなので、ヘックスと表示せず、ヘックスロープまたはトルクスと表示すべきだと思う。念のためにもう一度繰り返すが、六角レンチ=ヘックスレンチであり、ヘックスローブ=トルクスである。
5. 工具購入時のポイント
工具を買い足す場合には、可能であればハンドツール専門店での購入が望ましい。専門店では高品質の工具が揃っており、知識の豊富な店員からアドバイスを受けることができるため、長く使える工具を手に入れることができる。一方で、ホームセンターで購入する方が便利な場合も多いだろう。ホームセンターでは手軽に工具を入手でき、必要なサイズや規格を揃えやすい。購入前には、製品がミリ規格かインチ規格かを確認することが重要だ。取扱説明書やネジの刻印をチェックするほか、現物のネジやボルトを持参すれば、失敗を防ぎやすい。
6. 緊急時の対応策
理想的には適切な規格の工具を用意することが望ましいが、緊急時や他に手段がない場合には、リスクを理解したうえで近似サイズの工具で間に合わせることもできなくはない。この場合、過度な力をかけず慎重に作業することが重要である。たとえば、インチ規格のボルトに最も近いミリ規格の工具を選ぶことで、作業を一時的に進めることが可能だ。ただし、ネジや工具を、最悪ネジ穴を傷めるリスクがあるため、後で適切な工具を用いて再調整することを念頭に置くべきである。
7. 工具と規格の理解でトラブルを防ぐ
工具がフィットしないときは、まず規格を疑い、適切な工具を選ぶことが基本である。ミリ規格とインチ規格、さらにはヘックスやヘックスローブの違いを理解し、それぞれに対応した工具を揃えることで、不具合を未然に防ぐことができる。また、緊急時には慎重に代用工具を使用することで、時間を稼ぐことができる。適切な準備と柔軟な対応を組み合わせることで、安全かつ効率的な作業が可能となる。
今回は以上。
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