日本のエネルギー政策と働き方改革|脱炭素と所得の壁が招く悪循環

日本のエネルギー政策、税制、働き方改革は、見直しの時期に来ているのではないか。

排出ガスによる地球温暖化の議論は、すでに一般人の理解を超えている。しかし、世界全体のCO2排出量に占める日本の比率はわずか3.5%に過ぎない。この数字を見れば、日本が仮にCO2排出量ゼロを達成したところで、地球規模の気候変動を抑止する効果はほとんど期待できないことが分かる。

一方、米国は第一次トランプ政権時代に「CO2排出による環境破壊はフェイクだ」と言い切り、第二トランプ政権では次化石燃料の使用に対する制約を撤廃する方針だ。中国に至っては、そもそも国内の化石燃料使用を抑える気などない。
こうした状況を踏まえれば、今後日本のCO2排出量が世界に占める比率はさらに縮小するだろう。それでもなお、脱炭素政策を維持すべきなのか、大いに疑問である。

特に問題なのは電気代の高騰だ。原発の稼働停止と再エネ賦課金によって、日本の電気代は世界的に見ても非常に高い。さらに市中のガソリン代も高騰しており、製造業や輸送業はコスト増を価格に転嫁せざるを得ない。
その結果、小売物価も上昇し、消費税率が変わらない限り、物価に連動して消費税負担も増える。これは実質的な毎日増税と言っても過言ではない。

こうした悪循環から脱するためには、エネルギー政策の見直しに加えて、「所得の壁」の撤廃と、働き方改革の抜本的な見直しが欠かせない。所得の壁によって働き控えが生じている現状は、まさに労働市場への人材供給を妨げる元凶である。

以下に、2025年時点の「所得の壁」と、それぞれの年収ラインで発生する具体的な影響を整理する。


【2024年版 所得の壁一覧表】

年収目安主な影響
103万円103万円所得税が発生、配偶者控除の適用可否
106万円106万円社会保険加入義務(従業員51人以上の企業)
130万円130万円社会保険の扶養から外れる(100人以下の企業など)
150万円150万円配偶者特別控除の満額適用上限
201万円201万円配偶者特別控除の適用上限

このように、年収の「壁」が段階的に立ちはだかることで、扶養から外れるリスクを避けるために働き控えるという状況が生まれている。これは労働力不足を加速させる悪循環に他ならない。

さらに、現在のエネルギー政策が企業コストを押し上げ、物価高を招いている事実も重要だ。
次の表は、主要国のCO2排出量の内訳である。これを見ると、日本の排出比率の低さが一目瞭然であり、日本単独の脱炭素努力にどれほどの意味があるのか、改めて考えざるを得ない。


【主要国のCO2排出量の比率(2025年版)】

国・地域エネルギー供給部門 (%)産業部門 (%)運輸部門 (%)商業・公共サービス部門 (%)家庭部門 (%)その他 (%)合計 (%)
中国12.08.03.01.02.00.526.5
アメリカ7.53.05.02.02.00.520.0
インド4.02.01.00.51.00.59.0
日本1.00.80.80.40.50.23.5
ドイツ1.00.50.50.40.50.13.0
フランス0.60.40.30.30.40.12.1
イギリス0.60.40.30.30.40.12.1
ブラジル0.50.30.30.30.30.11.8
ロシア2.01.50.70.30.30.35.1
台湾0.40.30.10.10.10.11.1
カナダ0.80.50.60.30.30.12.6
その他の国々7.04.74.92.22.51.122.4
合計40.022.417.67.68.83.2100.0

こうしてみると、日本が世界全体のCO2排出量に占める割合はわずか3.5%であり、その負担感に見合わない脱炭素政策は、むしろ国力を削ぎ国益に反するリスクが高い。
そろそろ、エネルギー政策と働き方改革
を同時に見直し、電気代・燃料代を下げることと、所得の壁を撤廃することで、労働市場へのスムーズな人材流入を促すべきではないか。

こんな不合理な政策を進めている国や職業政治家がいるかぎり、毎日一所懸命に真面目に正直に働いている人が豊になる時代は来ないと理屈コネ太郎は思う。

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