具体的に言える事は具体的に言おう

診察の現場で、受診者と医師の情報交換は言語に大きく依存する。全く言葉の通じない外国人とは、基本的には診察行為は不可能である。特にインフォームドコンセントを前提にした医療は原理的に不可能である。

言語が情報交換に依存するということは、言語化可能な事柄は言語化し、具体的に表現できる事は具体的に表現する事が望ましい事を意味する。

しかしながら、医療の専門家でない受診者が、医学的に具体的な言語化が出来る事柄は極めて少ない。だから、受診者が発する言語情報を医学のフレームワークに落とし込んで問題点を再構築するのも医者の仕事なのだ。

受診者が具体的に情報を提示できる少ない例の1つが、以前処方された薬をもう一度処方して欲しい場合の薬の名称だ。

ここは薬の名称なり、薬の画像なり、とにかく具体的で間違いのない情報が欲しい。

色や形状で説明しようとする受診者がいるが、これば院外調剤を採用する病院ではほぼほぼ無意味な行為で時間と労力の浪費となる事が多い。

数十年前の医療と異なり、現在の医療は基本的に医薬分業である。

医療機関で医師は処方性を記載して、患者がその処方箋を薬局に持参し、そこで処方箋に基づいてお薬が調剤される。

今日のこの体制では、患者さんがよくいう「ピンクで丸い便秘のお薬を出して欲しい」といっても、医師にどの便秘薬かは伝わらない。

三十年前の医療では、医師はお薬の現物を見ていたので、その薬の形態や色をある程度は知っていた。

しかし現在は全く状況が違う。患者は「色々と情報を伝えれば医師に伝わるだろう」と考えるだろうが、このやり方は時間の無駄以外のなにものでもない。

なぜなら、似た様な色や形をして、大枠で同様の作用を示す薬は後発品(ジェネリック)を含めるとたぁ~っくさんあるから。

自分の求める薬の精確な名称が分かるように、お薬手帳や、薬のヒート、そういうお薬の名称が間違えようのない情報を持参して戴けると、受診者も医師も時間を節約できる。

そうすれば、他の受診者が待合室で過ごす時間も短くなる。

今回は以上。

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