金木犀の香るワインディングを

金木犀の香るワインディングを

朝の気配が次第に明らかになりつつある、しかしまだ仄暗い山に向けてほぼ一直線に伸びる道の両側にポツポツとある民家の窓のそこかしこに、今日の活動を始める人々の灯がともっている。

金木犀の香りを、両側の窓をあけて胸いっぱいに吸い込みながら、愛機GRヤリスは山への道をどんどんと高度を上げていく。

ワインディングに入って集中力が高まった頃になると、もう何も考えない。ただただ、眼前に展開される曲がりくねった道をクリアしていく。

眼が慣れて、両手両足が連動して、クルマが道の上を滑らかに移動するようになってようやく、色々と試行錯誤を始めて見る。

前輪に荷重移動、舵角をあて、ヨーが発生してからの抜重のタイミングを色々と試して遊ぶ。

破綻なく、何事もないように滑らかに、もちろん決してセンターラインを越える事なく、ただただ運転に興じる。

手足の動きとクルマの挙動と体幹に感じるGの連動に一体感を感じるようになると、今日のワインディングでの目的は達成したことになる。

次第に周囲の景色を楽しむ余裕も出てくる。

樹木は繁茂して深く青く、人工物以外に山肌は見えない。

金木犀の香りが気持ちを和ませる。

やがて高度は落ちて、街並みが道の両側に続くようになる。

そのまま、高速道路に乗って帰途に就く。ワインディングを気持ちよくほぼ自分のペースで走れる時間帯は限られる。

山はこれから紅葉に染まり、やがて雪に白く覆われる。

いつものワインディングを季節の移ろいを感じながらマイペースに滑らかに走るのは、最高によい気分である。

今回は以上ん。

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