独学で31Ftヨットでソロセイリングするための課題

還暦間際の『理屈コネ太郎』が31Ftヨットを独学でソロセイリングするための課題リストを作ったので、同じような事を考えている人に何等かのヒントになればと思い、本頁に記載する事にした。

これが正解という意味ではなく、こういう考え方もあるのね…程度に受け取ってね。

『理屈コネ太郎』は2台の船で海と格闘している。一台目は、250馬力船外機を2機がけする寝室2つとシャワー兼トイレ(小型船舶のトイレ事情についてはココをクリック)を備えたご機嫌な28Ftの新艇。

公開情報によれば海況が良ければ40ノット超の速度も体験できる素晴らしい船。(と言いつつも、現時点2024年1月9日まで『理屈コネ太郎』自身が経験した最高速は38ノット)

そしてもうひとつの愛艇こそが、今回の主役である1995年建造のヤマハ製31ftの中古セイリングクルーザー。クルーザーといっても、レーサーに近い形状…と『理屈コネ太郎』は思っている。

今年(2023)の2月ころ、年ロープ類とセイル(メイン、ジブ、ジェネカーの3種類)は全て新品に交換した状態で四国で売りに出されているのネットを発見して、さっそく試乗しに出かけた。

ちなみにハワイで観光用客用のカタマランヨット乗船経験はあるけれど、本当の意味で帆走するヨットに乗ったのは、この試乗が初体験。(30代の頃、ウインドサーフィンの経験は若干あり。この経験から風とセイルと進行方向の関係性は理解していた)

その日は微風だったので、メインとジブを張っても、軽快に帆走とはいかなかったが、31Ftの艇体が波にあたって生じる衝撃はなかなかに重低音感があって新鮮であった。

もう、自分が一人でこの船を操船している姿がイメージできた。

おまけにこのヨットにはGPSとオートパイロットが前オーナーによって装備されている。

ヨットの世界では、一人で航海することをシングルハンドとかシングルと呼ぶ習わしらしいが、本頁では基本的にソロあるいはシングルと表現する。

私がこのヤマハ31Ft艇に魅かれたのは、キャビンと呼べるような快適性を求めた空間ほとんどなく、建造当時のヤマハのカタログを見るとスキッパーが一人いれば、他の乗員はパーティーできます…みたいな感じに表現されているが、これは販売上の戦略であり、本質的にはこの艇はシングルでセイリングを楽しむ、しかもちょっとレースとかを楽しみたい人向けに設計された艇のように思われたこと。

海面に素のヨットが浮かんでいる…。そんな感じである。その”素”な感じが私の心にヒットした。

とにかく、私のヤマハ31ftにはキラキラしたファンシー要素がまるでない。艇内からセイルの様子を見るための樹脂製の天窓と呼べる構造があるが、明り取りはこれだけである。よって、艇内は炎天下でも薄暗い。

艇内は背を伸ばして歩くことはできないほど、天井が低い。

またラダーはラットに比べると格段にカッコよくないティラーであるが、ティラーである故に乗り手は姿勢を低く維持できるし、おかげでスプレーを頭上にやり過ごすこともできるし、コックピット内の移動がとても楽ちん、

このヤマハ31Ftをヨットをド素人『理屈コネ太郎』がシングルで自由に操作できるように、ステップバイステップでクリアすべく設定した課題が以下のリスト。

ヨットにはド素人の『理屈コネ太郎』が、これまでに培った問題発見や同解決能力を最大限に活用してリストアップした。あくまで下記リストは『理屈コネ太郎』の一案に過ぎないので、より効率よくできる方法があると思う方は、そちらで頑張るのが宜しいと思う。

以下、全てソロ前提である。

  1. セイルとロープ(ハリヤードとシート)の関係性を理解する。
  2. 離着岸できるようになる。
  3. 機走での操船に習熟する。
  4. オートパイロットの使用法を理解する。
  5. 海上でメインセイルの上げ下げにができるようになる。
  6. メインセイルのみの帆走できるようになる。
  7. メインセイルのみのタッキングできるようになる。
  8. 海上でジブセイルの上げ下げにできるようになる。
  9. メインセイル+ジブセイルで帆走できるようになる。
  10. メイン+ジブでタッキングできるようになる。
  11. メイン+ジブでジャイビングできるようになる。
  12. 海上でジェネカーを上げられるようになる。(他のセイルは上げない)
  13. ジェネカーを取り込めるうようになる。
  14. ジェネカーのみのセイリングに慣れる。
  15. メイン、ジブ、ジェネカーを必要に応じて併用や使い分けできるようになる。

何につけ『理屈コネ太郎』は自身の目的意識に基づく独学が好きだ。テストがあるからとか、よい成績をとりたいからとか…という理由で、わけも分からぬ座学をするのは苦痛以外の何物でもない。だから学校での勉強はつくづく嫌いだった。

学校で強要されるわけのわからない規範やルールにも馴染めなかった。

とはいえ、押し付けられた勉強による知識が全く役に立たないかというとそういうこともない。いや寧ろ、学校で無理やり覚えこまされた知識が、大人になってからの厳しい社会人生活において下さねばならない孤独な判断の道標になったことは多い。

話をもとに戻そう。

2023年GWに私の手元にきたヤマハ31Ftには、前オーナーと販売店のおかげでド素人の『理屈コネ太郎』がセイリングを独学するに必要なすべての内容が装備されていた。

おかげで、納艇の次の日からシングルで海に出る事ができた。だいたい2回くらいの航海で上記の課題を一つクリアする感じ。

実際に海に出る前には、頭の中で何度もシミュレーションして、具体的な作業な動作をイメージする。

海から帰ってきたら、問題点を洗い出し、潰して、改善策を織り込んだうえでのイメトレに励む。

と、まあ、そんなこんなで、なんとか3か月半後には上記xivまでを穏やかな海況でならできるようになった。

やはり、スクールに入らずにいきなりヤマハ31Ftを購入したのが私にとって正解だったと思う。

レンタルやスクールでも上達するだろうが、いろいろと手続きが面倒臭いし、スクールは複数人の生徒にインストラクターが一人だったりするから、生徒一人ひとりのペースで修得し上達する事は難しい。

それに、レンタルやスクールの船だとあまり思い切ったことができないのが訓練の邪魔になりそう。

自分の船なら自分の判断と行動で船に損壊を与えてしまったのなら、それはそれで仕方ないし、それを覚悟で踏み込んだ領域にこそ学びの神髄がある気もする。

海上係留でいつでも思い立った時に出航できるのも独学に向いている。

それに、船長として自分の船に全責任を背負い最大限の緊張感をもって操船を体で覚えていくのは、非常に『理屈コネ太郎』の性分にあっている。

他の船舶にも、マリーナのスタッフにも、そしてもちろん海上保安庁にも迷惑をかけないように、十分に安全マージンをとりながら、黙々と修練を積むのは楽しい時間である。

ソロで31Ft級ヨットを運用するのには、いろいろな知識や技能が求められる。こういう船舶を運用するうえで必要なる技術をシーマンシップと呼ぶのだとヨットに乗るようになってから初めて知った

シーマンシップとは、船乗り同士の互助精神みたいなものだと誤解していたが、じつはそうではなかったのだ。

勉強することはいっぱいあります。

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