Canon New F-1 The Super Mechanism

Canon New F-!
The Super Mechanism

Canon New F-1の佇まい、重量感、手触り、匂い、シャッター音、様々なダイアルの作動感が好きだ。

写真機としてではなく、精巧に作られたメカニズムの塊として好きだ。

Nikon FやF-2とはまた趣の異なる怜悧な凄みのきいた存在感が好きだ。

隠し撮りとは無縁の、いま撮影者はこの現場の写真を撮る事に全てを賭けてますと訴えかける存在感が物凄く好きだ。

薄いシャッター膜、金属製の歯車や発条。巻き上げレバーの操作で蓄えられたエネルギーが、シャッターレリーズで一気に解放された瞬間の、精緻に制御された超速のシャッター膜と跳ね上がるミラー、複雑な絞り機構の連動が好きだ。

そしてこのレンズ。85ミリF1.2。まるで小さな子供が初めて見る対象物に瞠目するように大きく開かれた対物レンズ。

カメラに装着すると、大柄な本体が負けて、大きなガラスの重量のために重心が前方に移動してしまう程に大きく重い。

この金属製銀塩カメラをそっと目の前に置き、どれ程の人達が、どれ程の精魂を傾けて作ったか、と想像するだけけで胸が熱くなる。

その胸の熱さを味わうだけで10分ぐらいは陶酔感に浸れる。

最近はこの機械で写真を撮る事は殆どない。これから先はもっと減っていくだろう。

この機械が、写真機としての機能を果たせなくなる日が来ても、私は構わない。

私のすぐ近くに在って、凝縮された金属機械の存在感をもって私に静かに肉薄してくるこの機械式銀塩カメラを、私の意思で手放す事は恐らくないと思う。

何故なら、私の精神衛生に、このメカニズムの塊は重要な役目を果たしているから。

因みに『理屈コネ太郎』は、金属製の玩具を他にもいくつか愛用している。以下に関連ページを記すのでお時間のあるときにお楽しみいただければ幸いだ。

Rolleiflex SL2000F』を開くには”ココ”をクリック。『Nikonos V』を開くには”ココ”をクリック。
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