リセールバリューとカスタム(改造)の関係

GRヤリスの運転席。紅いシフトノブとバケットシート、ロールバーのサイドバーが見えている。

以下は『理屈コネ太郎』の管見での独断と偏見による私見である。その点をご銘記のうえ読み進めて頂いたうでで、自己責任での自動車売買の際の良き判断の一助になれば幸甚である。

本ページで述べるリセールバリューは中古車として手放す際の価格であり、ネオクラシックやヴィンテージの範疇のクルマはScope外である事をまずはお断りさせていただく。

本頁の要点は、基本的にカスタム(改造)は事故車と同じでリセールバリューを低下させるということ。

もっとも、ボディーの一部を切り取ったり穴をあけたり、エンジン制御や加給圧に改変を加えるようなカスタムをする人は、もはやリセールバリューなど気にしないと思うので、以下の長文を読むのが面倒くさくなるかもしれない。

本気でリセールバリューを気にしないで、行けるところまでカスタムしたいと考えている読者はここで一旦『GRヤリスについての諸ページ』に移動して、興味を持てそうなコンテンツを探すのが吉かも。

ところで本来、リセールバリューという言葉は、ノーマルs車両を中古市場で売る際の言葉であるが、この頁ではあえてカスタム(改造)した車両を手放す際の価格をリセールバリューと捉えて、カスタム(改造)がリセールヴァリューに与える影響について私見を述べたい。

もう何年も前に、ある大手中古車売買業者(あの不祥事の業者ではありませんよ)の買取り担当者が、「過剰だったり不合理なカスタム(改造)を施されたクルマは、過剰だったり不合理なカスタム(改造)という事故に遭遇してしまったクルマであり、本質的にはカスタム車両は事故車と同様に考える」みたいな内容を話している場に居合わせた事がある。

どこからが過剰で、どこからが不合理なのかの線引きはもちろん問題にはなるのだが、この買取り担当氏の発言には、『理屈コネ太郎』も思わずドッヒャアーってなった。

そもそも修理とカスタムの違いって何だっけ?ってなったし。

不具合や不都合を治すって意味では、修理もカスタムも客観的には同じなのかも。

過剰だったり不合理なカスタム(改造)はクルマの耐久性や信頼性を毀損する行為なので、クルマの本来の性能を取り戻すためには修理が必要であり、その意味で事故と同じらしい。

それに、大変に言いずらいが、カスタム(改造)を施行した業者なりオーナーなりが、正しい知識と技術で作業したかが疑わしいケースも多い。

つまり、カスタム(改造)されたクルマは不安要素が多いってことになる。

であれば、リセールを気にするオーナーはカスタム(改造)は、慎重に行わねばならない。

『理屈コネ太郎』はノーマルが一番などと思ってはいないし、気に入ったクルマをもっと気に入るように手を入れたくなる欲望が理解できる。

しかし、限りある資金を有効に活用するのを是とする生活者の立場に立つと、リセールバリューを気にしないでカスタム(改造)する事はなかなか出来る事ではないのでは。

まずもって、一般の個人の好みを反映したカスタム(改造)がリセールバリューを上げる可能性は極めて低い。

YouTubeで何100万回も再生されている動画でケン・ブロックが振り回しているクルマなら、好事家が高値で買ってくれるかも知れないけれど…。ケン・ブロックは一般人ではないし。彼が動画で運転するクルマは一般人が限られた予算でおこなうカスタムとは別次元だし。

なので、気に入ったクルマ(バイクも同じ)をもっと気に入るようにカスタム(改造)したい欲望がムラムラと胸の中に湧きおこってきたら、何卒ご用心されるが宜しい。

徒にお金を失っただけ…という事態になりかねない。

雑誌やパーツ業者の煽りに惑わされず、真に自分の欲する内容を見極めよう。「売るときの値段?そんなの考えてクルマ弄ろうと思ってんのォー?」は、まず間違いなくカスタム業界側の煽りだと思った方がいい。

まあ、カスタム(改造)がリセールに及ぼす影響を事前に納得したうえで、カスタムの結果に満足した代償の支出なら、リセールバリューが下がったとしてもそれは大成功だ。

事前に納得したけれど、結果に満足できなかったら、カスタム費用もリセールの低下も勉強代だと思って次の機会に知恵として生かそう。

事前に納得もできず支出だけしたら、それはもう本当に大不幸としか言いようがない。

もし少しでも多くお金を取り戻そうと思ったら、装着したパーツを外して、パーツとして販売すれば、合計金額的に少しは良好な数字になるかもしれない。でも、パーツを外すのって結構大変だけど。

ボディーにあけられた穴は周辺の強度に問題なければ、まるで穴などなかったかのように誤魔化す事は簡単だが、穴をふさぐ素材はもはや工場出荷時とは異なる材質である。

別にオリジナルがベストとは全く思わないけど、前オーナーの好みで開けた穴があるのなら、それは値引き対象にして欲しいと考えるのが購入者サイドのホンネだろう。

であれば、中古車売買業者が前オーナーからそうしたクルマを仕入れるときは、その分の価格を下げた買取価格を提示するのが自然。

リセールにおいては、殆どの場合はディーラー車の無事故・無改造車で、整備履歴がはっきりしている車両が有利である事はほぼ間違いない事は覚えておいてもいいかも。

もしリセールバリューを視野に入れつつカスタムを楽しみたいのなら、至極当たり前だが、手放すときにはオリジナルに簡単に戻せるような手法を選択しよう。

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