7320㎞のって思った事々とか

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以下の文章は2021年5月、走行距離7320㎞時点での理屈コネ太郎の経験内での独断と偏見にみちた私見に過ぎない旨を御銘記の上で読み進めていただければ幸いである。

トヨタは耐久消費財製造業者だから、世に出す商品は、その商品の寿命が尽きるまで面倒を見る…的な理念を持っているに違いない。

そして世に出す以上、商品によって濃淡はあっても、多くの普通の人の役に立ち、命を守るものでなくてはならない、とトヨタは思っているに違いない。

製造業は100%の出来を追及した結果として経済合理的に最上と思われる商品を納入したい。しかしどんなに努力しても不良品の発生は不可避だ。ダブルチェック、トリプルチェックをしても不良品が取引先や顧客の手に渡ってしまう。

彼らにとって不良品を作ってしまう事も恥だが、それを出荷してしまった管理の甘さも恥なのだ。

製造業は、少なくとも私の知る製造業者はこの恥に対して真摯に向き合って製品品質を上げている。

以下、すこし脱線気味に話しをすすめるが、お付き合い願いたい。

『理屈コネ太郎』は産業医として幾つかの会社とお付き合いしてきたが、製造業とICT系企業とでは、エンジニアリングというか開発の理念に大きな差があると感じてきた。

ICTの中でもSIerWeb系で商品に対する考え方が大きく違う。

SIerは製造業に近い感じで納入品の完成度をできるだけ高める。発注者の求める機能を持たなかったりバグが多発するようなら、(契約内容にもよるが)製作者側の責任において対処される事がおおい。

しかし、日本はICTシステム発注者側が自分が何を発注したか理解していない事が多いのでディスカッションが進まない。

最近は減ったと聞いているが、日本ではシステム開発が空中分解して発注者とベンダーとの間で訴訟沙汰になる事もある。

一方、Web系会社の場合はかなり変わっていて、大体80%位の完成度で自社サービスをローンチしてしまう。あとはアップデートで脆弱性を修正したり、あとから完成したパーツを足しこんで行く。

Web系企業の言い分はこうだ。多少のバグがでても、そのサービスはこれまで世の中に存在しないサービスだから、80%程度の完成度でもスタートアップとしては及第点なのだと。

古典的な製造業とWeb系企業のメンタリティーの乖離は大きい。どちらも一理ある。

なんでこんなハナシをしたかといえば、トヨタはやはり筋金入りの製造業者なので、GRヤリスを作る際に下回ってはならないとトヨタ自身が定めた品質に関する基準が沢山あったのだと思う、と言いたいのだ。

乗用車という耐久消費財はこうであるべき!とか、日本や海外の法規に照らして設計はかくあるべき!とか、お客様の安全を出来る限り確保するクルマはこうあるべき!とか。

その1つが、標準のシートなのではなかろうか?GRヤリスの走行能力を考えたら、あのシートではやはり物足りない。(2024年2月追記:マイナーチェンジでシートの取り付け位置を25ミリ低く変更してきた)

しかし、フルバケットシートを導入して色々なネガを経験した今の『理屈コネ太郎』は、メーカーの立場で多くのユーザーが座るシートである事を想定したら、やはり純正シートが1番宜しいと思う。なにより、アレにはエアバッグが仕込まれているのだ。

『理屈コネ太郎』のGRヤリスは他の人は運転しないし、同乗者も想定していないので、助手席を取り払いたいくらいだが、日本の法律が許さない(2024年2月追記、2023年の初回車検時に構造変更手続きをして助手席を撤去し3人乗り登録とした。詳細はココをクリック)。

下方視界、ミラー位置、後席の乗降性を考えたリクライニング機構、トヨタ的にそうした諸条件を全てある程度の合格点で通過するために、あの純正シートにしたのだと思う。

いや、シートだけではないかも。わざわざ車検証上で4人乗車としたのも、その方が家族持ちのお父さんが買いやすいと判断したからではないだろうか?

リアサスをダブルウィッシュボーンにしたのも、ストラットバーを装着して荷室の使い勝手を下げたくなかったからかも。

『理屈コネ太郎』の勝手な想像だけど…。

フロントはストラットなので、ちゃんとGRアクセサリーとしてストラットタワーバーが売られている。

GRヤリスはトヨタが作るマスプロダクトであり耐久消費財だ。その上で、1.6Lのコンパクトカーとしては超絶的な走行性能を持たせている。

マスプロダクトの耐久消費財に尖った性能を持たせることは、とても矛盾に満ちた行為だ。

そんな矛盾だらけの商品が売れるマーケットはない!と断言する古株のお偉方もトヨタ社内にはいただろうと推察している。

でもGRヤリスは実際に販売された。多くの名もない市井の運転好きの目に触れ、心をときめかせ、購入された。『理屈コネ太郎』もその1人だ。

だから、市販車としてのGRヤリスには、万人がスポーツカーとして認めながら、これまでのトヨタ的というか万人向け用の、スポーツカー要素としては邪魔と言ってもよいモノや装備がアレコレとついている。

一部の富裕層だけに向けて作られた超希少車ならなんだって許されるだろう。なんだって省けるし、なんだって付けられる。

○○史上最速とか、世界限定〇台とかのプレミアム感満載なクルマを買う人たちにとって、クルマはもやは耐久消費財ではなく、キラキラ感を演出してくれる嗜好品なのだ。こうしたキラキラなクルマ達とトヨタは競合できないし、おそらくするつもりもないと思う。レクサスですら、その市場を狙ってないと思う。最近、欧州に行ってないから分からないけど。

欧州勢のようにプレミアムじゃないけど、”本物”の底力では全然負けてない。機械の質はJapan Quality。いつだってエンジンは始動するし耐久性もある。部品の供給も販売終了後10年位は安心の適性価格。

そして何より、運転している事が素朴かつ最高に愉しい。

マスプロダクトの耐久消費財であるGRヤリス。マスプロダクトの耐久消費財なのにこの超絶性能のクルマを作ったTOYOTAに感謝感激だ。

人に見せてキャーキャー言われるクルマじゃないけど、自分で運転してキャーキャーいうには最高のクルマ。

マスプロダクトの耐久消費財なのに第一級の走行性能を持っているってこと、そこに『理屈コネ太郎』は工業製品としてとても魅力を感じちゃう。

この気持ち、ランエボやインプの人達も味わったんだろうなあ。

スポーツカーを普通の自動車メーカーが作る事って、日本の自動車メーカーならどこでもそれなりに出来るとは思う。

でも今、本当にそれを実行して販売してビジネスをする決断が出来るのは、トップがマスタードライバーであるトヨタだけの気がする。(2024年追記、円安のおかげで輸出は絶好調だから、三菱もスバルももしかすると…)

今回は以上ん。

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