結論から言うと、GRヤリスのような高性能4WD車でも、雪道でスタックすることがある。その原因は単に雪道の滑りやすさ(μの低さ)だけではない。
冬用タイヤを装着し、優れた4WDシステムと前後LSDを備えていても、スタックすることは十分にあり得る。ここでは、そのメカニズムについて詳しく解説する。
1. 雪の付着が最低地上高を下げる
GRヤリスのような高性能4WD車でも、雪道を走行していると車体の底に雪が付着し始める。時間が経つにつれて、それが圧縮されて氷となり、厚みと硬さを増していく。これにより、実質的に最低地上高が低くなってしまう。
2. 深雪で車体が持ち上がるとトラクションを失う
この状態で最低地上高を超えるような深い雪道を走ると、車体が雪に乗り上げてしまう。するとタイヤがしっかり地面に接地せず、トラクションを失って動けなくなる。つまり、どれだけ優れた4WDや冬用タイヤを装備していても、タイヤが浮いてしまえばその性能を活かせない。
3. スタックを防ぐための注意点
最低地上高が高くない車は、深雪路での走行に注意が必要だ。特に以下の点を意識しよう。
- 積雪が深い場所には無理に突っ込まない
- 地形の変化を確認し、積雪量を把握する。
- 車体底部の雪や氷を定期的に取り除く
- 走行中にこまめに確認し、積もった雪を除去する。
- 車高を下げている場合は特に慎重に
- ローダウン仕様はスタックしやすいため、より注意が必要。
GRヤリスは優れた4WD性能を持つが、それでも最低地上高を超える深雪ではスタックのリスクがある。雪道での走行は慎重に、事前の準備をしっかり行うことが重要だ。