メーカーオプションとリセールバリュー

本頁ではリセールバリュー(以下、RV)を上げる目的でメーカーオプション(以下、MO)を装着することは必ずしもコストパフォーマンスに貢献するとか限らない事を考察する。

以下、理屈コネ太郎の管見内での独断と偏見による私見である旨をご銘記のうえ読み進めて戴きたい。

かなり理屈っぽい長文なので、そーゆーのを求めてないという人はココで一旦『GRヤリス関連の諸ページ』に移動して他の興味ありそうなコンテンツを探すのが吉。

さて、『理屈コネ太郎』のGRヤリス(2020年式)は、MOの安全運転支援装置やナビは一切装着していない。(2024のマイナーチェンジでは、法律改正で安全装置は必須みたい)

その理由は、そもそもは懐事情が寂しいからなのだが、安全運転装置やナビなどのMOはRVにおけるコスパが良くないと思われたので、あえて装着しなかったという理由も実はある。

まあ、負け惜しみだけど。

ここで言いたい事は、GRヤリスのようなクルマには、RVを考えて新車購入時に高額な安全運転支援装置やナビ装着するのは、投資としてワリに合わないというのが『理屈コネ太郎』の考え。

RVなんて気にしない、そんなの関係ねー…って考えも理解できるできるけれど、RVを考えてクルマを購入する事は、限られた資金を上手に運用することであり、推奨されるべき事だとも思う。

だって、クルマ以外の遊びにも資金は必要だし、生活の質の向上にも大切だし。将来のリスクに備えるために、貯蓄や投資や保険購入にもお金は必要だ。

ヤリクリには努力を惜しまない方がいい(詳細はココをクリック)

そこで、RVを上げる目的で、新車購入時に納車後には後付できないMOを装着するという理屈も成立しそうではある。

だが果たして、それは常に正しいだろうか?

ハナシを分かり易くするために、クルマの価格を本体部分とMO部分の2つに分けて考える。

クルマは購入した瞬間から、価格は下がるのが普通だ。歴史的名車であるとか、歴史的著名人が所有したというプレミアムでも発生しない限り、購入後に価格が上がる事はないので、こういうケースは除外する。

また最近は30~40年以上前のクルマにいつのまにかヴィンテージ化して価格高騰が起きていたりもするが(関連ページはココをクリック)、数十年もの長い時間をじっと保管していられるほど資金に余裕ある人はそうはいないので、ここでは購入後せいぜい7~8年以内でのクルマのRVについて検討する。

一言でいえば、中古車におけるRVについて検討するが、ヴィンテージカーは検討の対象としないということ。

で、繰り返すがクルマの価格は登録後に普通は低下する。注目したいのは、この価格低下の割合が、クルマ本体部分と、MO部分で同じなのか違うのか…というところ。

もし、MO部分の価格低下の割合がクルマ本体部分のそれに比べて極端に小さければ、新車購入時にMOをモリモリで購入する意味はあるかもしれない。

高いRVによって、僅かなコストでMOを堪能する事が出来るわけだ。

具体的に考えてみよう。

新車購入時のクルマ本体部分価格が100万円、MO部分の価格が50万円。計150万円の新車を何年か乗って90万円の買取価格がついた事例を幾つかのケースに分けて検討してみよう。

ケース1
手放すときの全体のRVが90万円なので、その内訳をクルマ本体部分60万円、MO部分30万円と考える。この場合、クルマ本体部分とMO部分の価格低下の割合は同じだ。ともに60%に下がっている。クルマ本体部分は40万円のロス、MO部分は20万円のロス。

ケース2
RVの内訳を、クルマ本体部分が50万円で、MO部分が40万円と考える場合。クルマ本体部分の価格低下が大きいケースだ。クルマ本体部分の価格が50万円で50万円のロス、MO部分の価格は40万円なので僅か10万円のロス。

ケース3
クルマ本体部分が80万円で、MOが10万円と考える場合。クルマ本体は僅か10万円ロスである一方、オプション部分が40万円のロス。

もしMOを装着しなければ新車価格100万円に対してクルマ本体部分のRVはそれぞれ、ケース1では60万円、ケース2では50万円、ケース3では80万円となる。

すべてのケースでRVが90万円なので、クルマ本体RVに比べるとMO装着によってRVが向上しているように見える。

しかしこの現象は、それが装着されている事が原因でRVを下げるMOがまず存在しないという素朴かつ当然の事実を反映しているだけだ。

それを装着することによってRVが低下するMOが存在するとすれば、それは極端にレアなケースだ。

もう少し説明しよう。

ケース1ではRVを30万円上げるために新車時に50万円投資した。費用対効果まあまあ。

ケース2ではRVを40万円上げるために50万円投資した。費用対効果良い。

ケース3ではRVを10万円上げるために50万円投資した。費用対効果悪い。

3つのケースともにRVを上げるために50万円の投資をして、RVは上がった。しかし、費用対効果には歴然と差がある。

費用対効果はケース2が最も高く、ケース3で最も低い。

もしかしたら、ケース3の場合は費用対効果の悪いMOを付けずに、50万円分の贅沢を他の方法で味わった方がもっとハッピーになれるのかもしれない。

ドッカア-ンと欧州・北米東海岸10日間の旅に行くとか。

以上、3つの極端なケースを挙げてみた。

で、GRヤリスRZHPはどのケースに最も近いだろうか?

『理屈コネ太郎』はケース3だと何気に思っている。つまり、クルマ本体の価格低下割合よりも、オプション部分の価格低下割合の方が大きいと考えているわけだ。

その理由は、『理屈コネ太郎』が考えるこのクルマの核心的魅力が、パワフルなガソリンターボエンジンとMTと4WDシステムの組み合わせによる優れた走行性能だから。

その核心的魅力に直接関連しないMOをRVを上げる目的で装着しても、その費用対効果は良くない…かもしれない。

これは『理屈コネ太郎』の推察に基づく一種の賭けだ。『理屈コネ太郎』が間違っている蓋然性は低くない。

因みに新型ノートe-Power(FF)がケース2だと思う。クルマ本体の価格低下割合より、プロパイロットというMOの価格低下割合の方が小さいのでは…と。

e-Powerそのものは新規のシステムではなく、先代から継承されたもの。だから新型FFノートe-Powerとって核心的魅力ではないと『理屈コネ太郎』は思う。

プロパイロットはまだまだ新規性が高く殆どの人が未経験であることから、e-Powerとの組み合わせで新型FFノートの核心的魅力になり得るだろう。

こういうケースでは新車購入時にちょっと無理をしてもプロパイロットを装備して、快適にクルマを使用して、良きタイミングで手放すのが吉だろう。プロパイロットが陳腐化する前に。

一方、2モーター4WDは新型ノートが市場に訴える核心的魅力になるだろう。だからケース3っぽいが、FF車と同じ理由でプロパイロット装着はかなりコスパの良いMOだと思うから、ケース2かもしれない。

新型ノート4WDは核心的魅力を複数備えた稀有な普通のクルマなのだ。(追記:2022/Aprilにノート 4wdを購入。)

しかしGRヤリスはどうだろう?

この時代に中古でガソリンエンジンのマニュアル車を購入しようとする人が、安全運転補助装置やナビの有無に拘るだろうか?

と、まあこのように考えると、GRヤリスではRCが一番RV的にコスパが良いかも知れない。

RCでもエアコンは投資価値のあるMOかも。

あ~、でもどうかなあ。RCの中古を買う人のどれくらいの割合の人が快適性を求めるのかなあ?ちょっとわかんない。

だって、快適性の観点では最悪なモーターサイクルだってなんだかんだで通年で愉しまれているし…。

思えば『理屈コネ太郎』はフロントガラスに描かれたモリゾーサインのためだけに、1st Edition を購入したのだと思う。

因みにモリゾーサインがRVに全くプラスに作用しなくても全然オッケイ。『理屈コネ太郎』はモリゾーの心意気を買ったのだ。

と、以上が懐事情で安全運転支援装置やナビを買えなかった『理屈コネ太郎』流の負け惜しみである。

私の流儀の負け惜しみを堪能して戴けただけたとしたら幸甚これに勝るものはない。

今回は以上

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