本ページでは、自動車の4WD(輪駆動)が2WD(二輪駆動)よりもスポーツ走行で有利な理由について、確率論的に説明する。
まず、この内容は理屈コネ太郎の独自の視点であり、少々偏った見方や個人的な理屈が含まれている可能性がある。あくまで理屈コネ太郎の私見であることを承知の上で読み進めてほしい。
従来、4WDが2WDに比べて優位に立つ理由は、「四つのタイヤに動力を分散させることで、各タイヤにかかる負荷が軽減され、グリップに余裕が生まれる」という考え方であった。つまり、強力なエンジンパワーを2輪で路面に伝えようとすれば、タイヤが空転しやすいが、4輪で分散することで空転を防ぎ、車が前進しやすくなるという理屈である。
今回は、この従来の説明に加え、『理屈コネ太郎』独自の確率論的なアプローチで説明したい。なお、特に断りがない限り、適切なLSD(リミテッド・スリップ・デフ)が装備されていることを前提とする。
結論を先に述べる。2WDの場合、接地しているタイヤが駆動輪である確率は50%だが、4WDではどの接地タイヤでも必ず駆動輪となる。つまり、4WDは2WDに比べて、より確実に路面にトラクションを伝えられるわけである。
たとえば、2WDの車で1輪しか接地していない場合、そのタイヤが駆動輪である確率は50%に過ぎない。2輪が接地している場合でも、両方が駆動輪である確率は約16.7%しかない。これに対し、4WDでは接地している全てのタイヤが駆動輪であるため、少々の凹凸がある道や、路面のグリップが不安定な道においても、4WDの方が確実に路面に力を伝えられるのである。
かつてはタイヤの性能が低かったため、エンジンの力を2輪だけで支えると、タイヤが空転し、トラクション(地面に力を伝えること)が得られなかった。そこで、4つのタイヤに動力を分け、タイヤ性能が不足していても、ホイールスピンを防ぎながら走れるようにしたのだ。
今ではタイヤ性能も向上し、トラクションコントロールシステム(TCS)などの装置も発達したため、2輪だけでもエンジンの出力を路面に伝えられるようになった。たとえば、サーキットや高速道路のように平坦で滑らかな路面ならば、駆動方式の違いはそれほどタイムに影響しない。ここで重要になるのはタイヤの性能、エンジンの出力、そして車体の軽さである。もし変速機がマニュアルならば、ドライバーの腕も問われる。
しかし、現実の道路は必ずしも平坦で滑らかなわけではない。雪が残っていたり、マンホールや砂利、段差など、さまざまな要因で路面のグリップが不均一なことが多い。このような道では、4WDの方が確実に路面に力を伝えられるため、2WDよりも有利である。
4WDの中でも、たとえばGRヤリスは非常に優秀なシステムを備えており、不均一なグリップや多少のデコボコがある道でも、確実にトラクションを維持して走行できる。さらに6速マニュアルで、ドライバーが車の挙動に自在に介入できる点も大きな魅力である。これが『理屈コネ太郎』にとってGRヤリスの最も愛すべき点である。
少々話がこれまでの記事と重複してしまったが、どうかご容赦いただきたい。
今回は以上とする。
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