H.E.シゲリスト著『文明と病気』上下

医学は自然科学だけではなく、社会科学の側面を併せ持つと気づかせてくれた本。

著者Henry E. Sigerist は1981年にパリで生まれたスイス人の医学史家である。スイスでM.D.取得ののち、医学史研究の道に進んだ。1932~1947の間、米国Johns Hopkins University Institute of History of Medicine でDirectorの職に就いていた人物。

日本語版の上巻99頁に彼は言う ”医学の目標は病気を治癒することだけではない。むしろ社会の有用な一員としてその環境に人を適合させておくことであり、あるいは病気に襲われた時彼らをもう一度それに適合できるようにする事である。~中略~医学が根本的には社会科学であるという理由はこれである”

医療が社会医学である事に気付かされた一節である。

原著p.66では、”The goal of medicine is not merely to cure diseases; it is rather to keep men adjusted to their environment useful members of society, or to readjust them when illness has taken hold of them. ~中略~ This is why medicine is basically a social science.”

原著は1943年、日本語版は1973年に出版されている。

今回は以上

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