Seakeeper Rideを2カ月使って分かったメリットと気になる点

装着直後のSeakeeper Ride

愛艇にSeakeeper Rideを装着して2カ月、航行時間は約22時間に達した。使用感が明確になってきたので、ここで一度まとめて報告する。

なお、本記事の内容はあくまで筆者・理屈コネ太郎の個人的な体験と見解に基づくものなので、その点をご了承いただきたい。


Contents

Seakeeper Rideの効果とメリット

これまでの航行を通じて、Seakeeper Rideの最大の恩恵は船の安定性向上であることがはっきりと分かった。

  • ピッチとロールが減少し、船が海面に吸い付くように安定する
  • 波の衝撃が和らぎ、乗り心地が向上
  • 結果として常用速度が上がり、目的地までの到達時間が短縮
  • 何より操船が楽しくなった

特に、海面を叩く際の衝撃が大幅に軽減されたことで、長時間の航行でも乗船者の疲労が減少するのを実感している。


デメリットと気になる点

既述の良い点ばかりではなく、気になる点もある。

1. 最高速度が若干低下

装着前はフルスロットル5,600rpmで38ノットだったが、現在は36.8ノット前後に落ちている。

原因として考えられるのは、スポーツカーに空力デバイスを装着するとダウンフォースが増える替わりに最高速度が低下するのと同じ理屈だ。Seakeeper Rideは水の抵抗を利用して船体を安定させるため、そのトレードオフとして若干の速度低下が発生するのだろう。

ただし、エンジンのトリム角やSeakeeper Rideの設定(Auto/Manual)を調整すれば、まだ最高速改善の余地があるかもしれない。

2. オートパイロットの針路維持が若干不安定に

Seakeeper RideをONにすると、オートパイロットの保針性がわずかにフラつく気がする。

原因として考えられるのは、Seakeeper Rideとオートパイロットの制御系が独立しており、GPSを共有していないことだ。

筆者の艇では、

  • オートパイロット:Garmin
  • Seakeeper Ride:Raymarine

と、異なるメーカーのシステムを使用している。もしGarminで統一していれば、Seakeeper Rideとオートパイロットが同じGPSを共有し、フラつきは少なかった可能性がある。ただし、実用上の問題はないレベルだ。

なぜ、Seakeeper RideのGPSをGarminで統一しなかったかというと、画面操作が煩雑になるのを私が嫌った故のリクエストである。施工した諸氏の判断ではない事を明記しておきたい。


燃費への影響は?

正直なところ、燃費についてはデータを取っていないので正確なことは言えない。しかし、推測すると以下の要因から時間あたりの燃料消費は増えている可能性が高い。

  • 船の安定性向上により、常用速度が上昇 → エンジン回転数も上昇
  • Seakeeper Rideの水抵抗増加により、最高速度が低下

一方で、目的地までの到達時間が短縮されているため、航海1回あたりの燃料消費はむしろ減っている可能性もある

このあたりは、今後さらに検証が必要だ。


その他の気づき

  • 出航頻度が上がった
    Seakeeper Rideの安定効果により操船が楽しくなり、気づけば出航回数が増えていた。

  • フジツボの付着状況をチェック予定
    愛艇は海上係留のため、Seakeeper Rideは常に水中にある。この2カ月の猛暑でどれほどフジツボが付着したのか、今後確認し、結果を報告する予定だ。


結論:メリットが圧倒的に大きい

最高速度の低下やオートパイロットの若干のフラつきといったデメリットはあるものの、Seakeeper Rideの安定感向上による快適性と操船の楽しさは、それをはるかに上回る

**「もっと早く装着していればよかった」**とさえ思うほど、効果は絶大だ。

今後も長期使用を続け、さらなる発見があれば報告する。

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