STAR WARS クローン・ウォーズは観る価値あるか?

冒頭に解答を記載しよう。観る価値ありまくりである。特に大人にほどその価値は高い。

アニメのクローンウォーズは、1本の映画と7シーズンの連続ドラマ(全133話)で構成される3Dアニメーション作品。映画版を除くと、1回の鑑賞時間は正味25分くらい。でも、映画1本と133話は長いよね。

物語はオビワンとアナキン、そしてアナキンの弟子のアソーカを中心に、ヨーダや他のジェダイやクローン兵士のレックスなどが加わってなかなかに面白い作品群に仕上がっている。

時間軸としては、映画のEpisodeⅡとⅢの間の内容。

アソーカ・タノという名のジェダイの少女がアナキンの弟子となり、幾多の困難を経験して成長した結果、ある冤罪裁判を契機にジェダイ騎士団に失望して騎士団を去り、その後にオーダー66が発動され、それまで絶大な信頼関係で結ばれていたクローン兵達にジェダイ達が狩られるというなんとも悲しい顛末が描かれる。

クローン・ウォーズでは、ジェダイ時代のアナキンの能力や人柄、アソーカの成長、パルパティーンの深謀遠慮と権謀術数、クローン兵の悲哀、ジェダイ評議会の無能っぷりがよく描かれている。

全編を通して、パルパティーンの真っ黒さにすぐ傍らに居ながら気付けなかったジェダイ評議会の清廉を気取った間抜けさと、ジェダイの掟の窮屈さがアナキンを徐々にダークサイドに追い込んでいく過程と、アソーカの成長もオビワンの成熟もパルパティーンが作りだす時代の流れを防げなかった無力感とが、機微に富んだセリフとともに重層的に物語を紡いでいく。

全体としてクローン・ウォーズは、独裁的な個人に民主主義的社会が敗北する過程を描いている。しかもその独裁的個人は民主的な手続きに選任されてすらいるのである。

共和国もジェダイも、特にジェダイの人々は、自分達ですら完全には理解していない掟や規範に縛られてイノベーションを忘れて時を過ごしていた印象をアラカン『理屈コネ太郎』を抱いた。

実に現代の私達の社会が抱く問題と相似形ではないだろうか?

スターウォーズ/クローン・ウォーズ、観る価値は十分である。特に、大人がジックリと観るのにお奨めの作品だ。

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