本記事では、日産ノートe-POWER 4WDのプロパイロットについて、約8,500km走行後の実使用感を述べる。


プロパイロットの基本的な使用感

高速道路を一定速度で走行する際、車線の中央ではなくやや左に寄る傾向があるものの、全体的には便利な機能である。渋滞時のノロノロ運転では、モーター駆動にもかかわらず、クラッチやトルコンATのようなギクシャクした動作が見られるが、実用性は高い。(この辺の付き合い方については【こちら】を参照)

操作系の課題

プロパイロットの物理スイッチは、指先の感触だけで直感的に操作できるとは言い難い。物理スイッチの採用自体は正しい判断だが、形状的な工夫が不足しているため、操作時に一度スイッチを目視する必要がある。さらに、作動状態を計器盤で確認しなければならず、これが安全運転の趣旨に反しているようにも感じる。

青いのがプロパイロットスイッチ

とはいえ、プロパイロットが正常に作動している間は運転がかなり楽になる。


説明書の問題点

ノート4WDの説明書には根本的な問題がある。用語の不統一や、図表・操作説明が実際と異なるため、信頼性に欠けるのだ。(詳細は【こちら】を参照)

例えば、「パワースイッチ」と記載されている部分を車内で探すと、実際には「Start Stop」と明記されたボタンがある。説明書の用語と実物が一致しないのは混乱の元であり、他にも読者をミスリードしそうな表現が散見される。

幸いなことに、機構自体は正常に作動しているため、誤作動ではなく単にインターフェイスの問題だと理解できるのは安心材料である。突然プロパイロットが作動しなくなっても、何らかの条件が外れただけと考えられるのは、信頼性の高さゆえだろう。

もちろん、日産も稀に不良品を出すことはあるが、日本の道路で作動不良が起これば話題になるレベルの珍しさなので、その点も心配は少ない。


プロパイロットと運転の関係

安全運転支援機構は、クルマ側が運転に介入してくるため、運転に習熟していると「え、なに? なに?」と驚く場面がある。当初はその干渉に戸惑うこともあったが、プロパイロットの動作のクセを理解してくると、便利な機構だと実感できる。

自動車メーカー各社が安全運転支援装置を進化させている現状を考えると、プロパイロットのような機能は日常的に長距離を走る人にとって有用な装備であることは間違いない。


結論

アシ車として使うなら、プロパイロットは間違いなく便利な装備であり、特に走行距離が多い人にはおすすめできる。


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