結論を先に言うと、μ(ミュー)が不均質な道路では、GRヤリスの4WDは「駆動力を失わずにトラクションを得られる確率が高い」 という決定的な理由から、2WDよりも圧倒的に優位に立つ。
公道やラリーコースでは、μが大きく変動する。
GRヤリスの4WDは、このような状況下でも、2WDより高い確率で駆動力を路面に伝え、トラクションを確保しやすい。
この特性こそが、μが不均質な道路で4WDが圧倒的に強い理由である。
Contents
μとは何か?
まず、μとは何かを押さえておこう。
μ(ミュー)は静止摩擦係数を示す記号で、「滑りやすさ」の指標だ。
ダンロップのデータによると、代表的な路面のμは以下のとおり。
- ドライ路面:0.8前後
- ウェット路面:0.6~0.4
- 積雪路:0.5~0.2
- 氷結路:0.2~0.1
ただし、μは路面だけでなく、タイヤの材質や形状によっても変化する。
例えば、スタッドレスタイヤは雪道でのμを上げるように設計されている。
μが不均質な道路は4WDが最も活きる環境
私たちはつい「路面のμは均一である」と思いがちだが、実際の道路ではμはバラバラだ。
公道には、以下のようなμの変動要因が存在する。
- 水たまり、雨、残雪
- 砂利、小石、マンホール
- 路面のペイント、中央分離帯付近の水流
- 凹凸による接地変化
このように、μが局所的に異なる環境では、駆動方式によって走行性能に大きな差が生まれる。
一方、サーキットのように均一な高μの路面では、こうした影響がほとんどないため、2WDと4WDの違いは小さくなる。
GRヤリスRZHPがμ不均質な道路で圧倒的に強い理由
μが変化しやすい路面では、2WD(特にオープンデフ車)では駆動輪の片方が空転し、トラクションが失われることがある。
この状態では、たとえ見た目は動いていても、実際には慣性で進んでいるだけで、駆動力はゼロだ。
LSD付き2WDなら片側の駆動輪で粘れるが、それでも駆動できるのは最大2輪まで。
では、GRヤリスRZHPはどうか?
このクルマにはトルセンデフと電子制御多板クラッチが搭載されている。つまり、
- μが不均質な道路でも、駆動が適切に配分される
- 2WDでは駆動できない場面でも、より多くのタイヤでトラクションをかけられる
- 4輪すべてが浮かない限り、駆動輪が0になることはない
さらに、4WDなら4輪すべてでトラクションを確保できる可能性が2WDの2倍。
そのため、μが不均質な一般道では、4WDが圧倒的に有利となる。
サーキットでは4WDの優位性は薄れる
サーキットのように高μかつ均一な路面では、駆動方式の違いはほぼ意味をなさない。
なぜなら、
- どの駆動方式でも十分なグリップを確保できる
- 2WDの方が軽量で速く走れる
そのため、サーキットや直線加速(ゼロヨン)での比較テストは、GRヤリスRZHPの性能を正しく評価する指標にはならない。
結論:GRヤリスRZHPを活かすなら、μが不均質な環境で
結局のところ、GRヤリスRZHPが最も実力を発揮するのは、μが不均質な一般道やラリー環境だ。
だから『理屈コネ太郎』は、今後も荒天時の昼間を狙ってGRヤリスで出撃しようと考えている。
(夜は危ないからやめておく。)
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