日産ノートe-POWER 4WDのプロパイロットを含む全方位安全運転支援システム(以下、安全システム)との大体の付き合い方はなんとなく体得できるのだが、本当の正しい付き合い方はよく分からない。
が、特に視界の悪い状況下での運転者の負担を確実に軽減してくれていると感じたので、その事について記述したい。
一言で言えば、安全システムは”危機の兆候”を早期に検知してその対処を運転者に促すものである。運転者は”危機の兆候”を早期に対処できるので、ヒヤリとしたりハッとする(以下、ヒヤリハット)ことが少なくなる。
過日、台風の影響で大雨の日の午後に急きょ用事が発生し、往復200㎞、9割が高速道路という運転をした。
安全システムのうち、特にミリ波レーダーによる支援は非常に助かった。
夕方になってもライトを点灯させずに高速道路を走行しているクルマは少数だけど存在する。こうした被視認性に無頓着なクルマもミリ波レーダーは運転者の視覚を遥かに凌ぐレベルで検出してくれる。
一方、光学情報に頼る車線維持機能は雨のせいかあまり機能してくれない印象。
ノートの運転にはこれまで同様、運転車に最大限の注意が求められるが、安全システムが収集提示する情報は運転者の生身の情報収集力よりはるかに優れているので、運転者はこれら情報を活用することで多くのヒヤリハットを未然に防ぐことが出来るのだ。
ヒヤリハットな場面では交感神経が興奮し心身ともに疲労するのだが、安全システムは交感神経興奮の頻度を低減することで運転者の負担を軽くしている…と『理屈コネ太郎』は考えている。
ヒヤリハットな事象は心理的なだけでなく、身体各部の筋肉を緊張させるので、肉体的にも疲労させるのだ。
だから、ヒヤリハットの回数が少なくなれば、運転者の身体的疲労も少なくなるのだ。
『理屈コネ太郎』は当初、これまでの運転同様に最大限の注意を運転者が払うのであれば、安全システムの有無に関わらず運転者の疲労感に大した違いはないだろうと予想していた。
だって、”最大限の注意”を運転者はどうせ払わなくてはならないのだから。
しかし実際は、ヒヤリハットの回数が少なくなれば疲労感は確実に軽くなるのだとノートのシステムはわからせてくれた。
これは考えてみれば当然なのだ。
いわゆる完全自動運転に至る一段階としての安全システムであれば、すこしボンヤリと運転していてもいいんじゃね?などとこれまで勘違いしていた自分が恥ずかしい。
ノートの安全システムは人間の知覚以上のセンサー感度で危機の兆候を見つけて、それへの対応の一部を担ってくれるだけである。ただそれだけなのだが、格段にヒヤリハットが減るので、運転者はラクに運転できるのだ。
しかしもし、今後の安全システムの発展方向がヒヤリハットをゼロ化する事が目的であるのなら、運転に関する業務上の責任をクルマ側が負担するような、完全自動運転は出てこない事になりはしないだろうか…と残念な気もする。
いやいや、そんな事はない。完全自動運転は当然ヒヤリハットゼロの先にあるのだから、先ずはヒヤリハットゼロ化が正しい目標ではあるはずだ。
ところで、今回の記述は殆ど高速道路上での運転についてである。下道の小さな交差点とかについてはあまりシステムの恩恵は感じなかった。
暗い小さな交差点や、一時停止周辺では、従来通りの運転者の視覚に頼った操作になる。こうした場面での緊張はこれまで通り。
今回は以上ん。
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