フォイルサーフィン(以下、フォイル)において、ドックスタートはTake-Off速度に到達するための重要な手段のひとつである。しかし、フォイル特有の浮き上がり方やバランスの難しさから、習得は非常に困難であり、多くの初心者が苦労するポイントでもある。
加えて、単なる技術的ハードル以上に重要なのが、「落水時の怪我リスク」への対策である。特に初心者はこの点を軽視しがちだが、フロントウイングやマストは後縁がペーパーナイフ並みに鋭く、身体との接触で大きなケガにつながる危険性がある。
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■初心者ほどフロントウイング選びに注意
初心者は安定した揚力を求めて、大きめのフロントウイングを選ぶ傾向がある。だが、大きなウイングは揚力が強すぎてコントロールが難しく、飛び乗った瞬間にボードが浮揚しようとして制御でき落水する原因になる。さらに、その落水時にウイングやマストに体をぶつけるリスクも高くなる。
したがって、最初は小さめのフロントウイングから始め、まずは「前進しながらバランスを保ちつつ沈む」に集中する方が安全である。
■筆者の実体験|怪我予防に必要な装備
筆者(理屈コネ太郎)も実際に練習中、ウイングとマストで身体を強打し、危うくケガを負いかけた。これを受けて、次回から以下の装備を必須とすることにした:
- ヘルメット(頭部保護)
- 厚手のライフジャケット(胴体保護)
- グローブ(手指の保護)
■意外な盲点|海から桟橋への上がり方も要チェック
ドックスタートの練習を始めて気づいたのが「水面から桟橋への上がりづらさ」である。特に濡れた体では滑りやすく、体力も奪われやすい。桟橋の海面下の部分には大量の貝が付着しているので、肌も傷つけ易い。
筆者は対策として、桟橋クリートにロープを結び、即席の簡易ハシゴを設置。この際、桟橋に付着した貝殻で皮膚を傷つけないよう、ウェットスーツとブーツの着用も必須と考える。
■まとめ|安全第一でドックスタートを習得しよう
ドックスタートは、飛び乗った瞬間から即座にボードコントロールが求められるため、超初心者には高いハードルとなる。安易に「揚力重視」で大きなウイングを選ぶと、落水&負傷リスクが激増する。
安全第一を心掛け、最小限の装備+小さめウイング+バランス練習からスタートするのが、最も安心な上達ルートである。