生活者にとってはいかに稼ぐかは重要なテーマであるが…、その前にもっと大切な能力の養成が必要なので、本頁ではその能力について触れたい。。
生活者にとって最重要能力は、今ある収入のなかで生活を成立させる…という発想やスキルだ。
この能力が未開発だと、どんなに莫大な収入があっても生活は破綻する。
だって、ゥヒャッホオ―ってなって税金や保険料の事すら考えずにお金を遣っちゃうから。
子供の頃、親からもらうお小遣いの範囲内で、どうやって友達付き合いやお洒落や買い物をするか、ヤリクリを考えたはず。
自分で働いて収入を得はじめる前の段階で、ヤリクリの能力を養っておくのが望ましいし、多くの家庭ではそういう順番で学んでいく。
不幸にして、裕福な家に生まれて望むモノを全て与えられてしまった人は、だから大人になってから苦労するというパターンは多い。
もっと不幸なケースはうまれた家が裕福ではなく、ヤリクリの能力も養わなかった人たちだ。こういう人たちは成人後にかなり厳しい人生を歩む事になるだろう。
どんな家庭に生まれても、ヤリクリ能力さえ身についていれば、20代で生活が安定してくるはずだ。
ヤリクリ能力は、稼ぐ能力よりも基礎的かつ重要だ。所得が高くなくても、ヤリクリさえできれば真っ当な社会人でいられる。
借金せずに、親や友人に言えないような仕事に携わらないで生活できる。
ヤリクリ能力の素晴らしいところは、この能力が即効性が高く、そして後天的に獲得可能なこと。
『理屈コネ太郎』がまだ小学生だった頃、貧乏な人はたくさんいた。でも、彼らは所得が低かっただけで、上手にヤリクリして立派に生活を成立させていた。
もしかしたら、これは『理屈コネ太郎』とその周辺だけの事かもしれないが、貧乏は決して悪ではなかったのだ。
裕福ではないが、知恵と身体をつかって自分の収入のなかで生活を成立させる。それって物凄い能力だと思う。
ある意味、賢者である。自分を良く知り、自分の欲望に順番をつけられる人達なのだ。
そういう人達は貧乏なんて恐れていなかったように子供の頃の『理屈コネ太郎』には見えた。
現代においては、ヤリクリの重要性に気付いている人が少ないように思う。
稼ぐことばかりに光が当てられて、もっと大切なヤリクリが忘れられている。
そしていつの頃からか、低所得が恥ずかしい事のような考え方が、日本に広がり根付いたように思う。
ジャパンアズナンバーワンなんて本が出版された1979年ごろ。それから今となってはバブルと呼ばれる1980年後半ごろ。この頃から金を持たない事は恥ずかしい事になっていったように思う。
ところで、ヤリクリとただの我慢は違う。ヤリクリは欲望に自分自身で順番を付けるので、優先順位の高い欲望についてはお金を使う。優先順位の低い欲望については我慢をせざるをえないだろう。
それから、吝嗇(ケチ)とヤリクリも違う。ケチは払うべきお金を払わないような行動の事だ。『理屈コネ太郎』は「吝嗇(ケチ)は泥棒の一歩手前」だと思っている。
ヤリクリにまあまあ近いのは倹約かな。
自分の欲望に優先順位をつけ、低い順位の欲望は我慢し、また無駄な支出も極力避ける。そういうノウハウの集合体がヤリクリ。このヤリクリによって、収入の範囲内で生活を成立させるのだ。
これが出来るようになってから、次の段階としていかに効率的に稼ぐかを考えても遅くはない。
ヤリクリの能力がないうちに稼ぐ能力を開発しても、決して幸福にはなれないと思う。
稼ぐ能力を持つ人の周囲にはお金目当ての有象無象がよってくる。こういう有象無象たちはなんだかんだとお金持ちからお金をむしり取ることばかり考えている。
ヤリクリ発想のない金持ちは、有象無象のヨイショに乗せられた自分の欲望に順番をつけないから本当に欲しいモノにも、たいして欲しくもないモノにも、順番をつけずにお金を支出する。
だから、早晩、お金がショートする。
ヤリクリの能力がないのに稼ぐ能力だけあっても、その収入以上の出費をしてしまう。
なので、今現在、まだ親許に居る人には、ぜひ今のうちにヤリクリ能力を開発して欲しい。
ヤリクリ能力が未熟なうちに社会人になってしまい、借金が増えてしまい、返済のために親に知られたくない仕事に携わってしまっても大丈夫。
そこからヤリクリを意識して行動すればいいのだ。
繰り返しになって恐縮だが、お金に関する能力でまず真っ先に開発すべきなのは、ヤリクリの能力だ。
稼ぐ能力はその次で全然オッケー。
この順番が逆だと、多くの場合、厳しいイバラの道を歩む事になる。
今からでも遅くない、所得内で色々ヤリクリして生活してみよう。
焦る必要はない、所得のなかでの生活して、税金や保険料を納める生活を2年も続ければ、もうあなたはちゃんとした大人だ。
この段階になったら、もっと稼ぐ事を考え始めて良いころあいかも。
今回は以上。
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