London 食という文化

ロンドンは間違いなく凄い場所だ。凄い要素は数多あるが、『理屈コネ太郎』的にダントツ凄いのは、食事の不味さだ。

食事の不味さ以外のロンドンの凄さは全てポジティブなものばかりだが、どうして料理だけが輝ける英国文化のなかでこれ程までにひどいのか、『理屈コネ太郎』なりに調査しているが、なかなかコレという理由に出逢えていない。

候補として挙げられている理由は多数あるが、そのどれもが他の国でも同様な事が起きていて、そしてそれら国では英国ほど料理は不味くなっていないので、要するに理由としては失格なものばかりなのだ。

英国の料理の不味さで驚くのは、インド料理も中華料理も韓国料理さえ不味いという事だ。マクドナルドでさえ、ちょっとおかしな具合なのだ。

この写真は英国郷土料理のひとつウナギのゼリー寄せ(Jellied eals)。18世紀に生まれた伝統料理なので、さぞやロンドンの人はみな知っているかと思いきや、宿泊したホテルのコンシェルジュに尋ねてもそんなの聞いたことないとの返答だった。

だがその翌日、私が外出からホテルの自室に帰ると、部屋に伝言が置かれていて、そこには自分の不見識を詫びる文章と、ウナギのゼリー寄せが食べられるであろう場所の住所が美しい手書きの文字で記されていた。昨日のコンシェルジュからのメモだったのだ。

お礼のメモを下手な英語で書いて別のコンシェルジュに託し、早速私はメモに書かれていた場所にウナギのゼリー寄せを食べに出かけた。

そこはBorough Marketという名の生鮮食品マーケットで、沢山の食材や生花などが売られている場所だ。

そう、築地である(ちょっと言い過ぎだし、古いか)。

こういう場所ならば旨い食べ物があるはずだ。ロンドンのこれまでの食経験はただ運が悪かっただけなのだ。

私は確率論者的に、いままでのサンプリングに偏りがあるのだと自分に言い聞かせたのだ。

私は数品の食糧を持ち帰り用にして購入した。翌日の夕食まで間に合う程の種類と量だ。

そして、ウナギのゼリー寄せを食せる店舗を見つけだし、勇躍して注文した。

そして出てきたのが写真の品だ。見た目は悪くない。予想では、ウナギの煮こごり的な味わいだ。白身のウナギの煮つけを冷やしてコラーゲンが固まった、そんな感じ。

さて結末は。

皆さん、時期が許したら、是非とも英国はロンドン、Borough Marketに行ってご自身で体験して戴きたい。いや、英国の、ロンドンの食という食を、存分に浴びて来て戴きたい。

その体験の価値は私には言語化できないが、しかし重かつ大なる基準を与えてくれると思う。

その手間と時間をかけるに値するほど、英国の食には深く深く深く、本当に深く考えさせられる。

『理屈コネ太郎』的には、自分の身体で体験して本当に良かったと思っている。

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