中高年の人材価値更新 例としてプログラミングと心理学

『理屈コネ太郎』が考える中高年の人材価値更新に役立つ知識・スキルは心理学とプログラミングの二つである。他にも幾つもあるのだが、取りあえずはこの二つを推奨したい。

人間の寿命も健康寿命も労働年齢も延びた。この長い人生を社会人として生きるためには、1つの専門領域ではなく、人材価値更新目的で二つめの専門領域の獲得を目指すのが重要。

二つの専門領域が被るニッチなマーケットでは、自分が第一人者になれる可能性すらある。

さていきなりだが、内丸山遺跡は青森県にある縄文集落跡。今からザックリ6000~4000年前の人類が残した集落跡。

行ったことがない人は一度行くことをお奨めする。胸の中に日本人の焔があることを感じさせてくれる場所だ。

その時代は、大抵の人は30歳くらいで他界していた。

人間の生涯が30年。生まれて、生殖可能年齢に達して、食べ物を獲得しつつ次世代を生む。

30年の生涯では、知恵を子孫に伝える暇は殆どなかったろう。病気に抗う手段もなかったろうし、出産も命げけだったに違いない。

そんな短い一生を送った人々が遺した生活の文明度とスケールが、実は意外との壮大だった事に驚くのが三内丸山遺跡。

翻って現代は、85歳くらいまで本人の意思とは無関係に生きてしまう。

本邦では尊厳死も自殺ほう助もご法度だ。適当な時期に病気や事故で他界しなければ、死ぬべきタイミングを逃し、子供や孫達に負担をかけて病院通いや入院生活、あるいは施設生活をしなくてはならない。

あの世に旅立ちたくても家族が旅立たせてくれないし、それを手伝ったら犯罪者になってしまう。

しかも、思考力があり、自分の身の回りの事柄を自分の意思と行動だけで遂行できる自助能力のある『健康寿命』はザックリ75歳くらいまで。

学習などの努力によって進歩・成長できる(ここでは便宜上『進歩寿命』と呼ぶ)のはだいたい60歳くらいまで。

とにかく、長生きの時代になった。この長生きの時代、進歩寿命(60歳前後)までに培った知識・スキルで健康寿命(75歳前後)まで自助努力をし、それ以降は肉体が滅ぶまで社会における互助・共助のフレームの中で生きていくことになる。いや、生かされれてしまう。もっというと死なせて貰えない。

健康(自助)寿命以降の互助・共助は介護保険や福祉がカバーする以外の領域は、市場原理に基づくビジネスのフレームワークの中だけでサービス授受が行われることになる。

すなわち健康(自助)寿命までに蓄えた財力によって、それ以降に受けられるサービスの質と量が変わるということだ。

と、考えると、健康寿命までにどれだけ財力を蓄えたかがそれ以降の生活水準を決定する大きな因子となるわけだ。

さらに考えると、進歩年齢までに培った知識・スキルが健康寿命(自助年齢)までの収入を決定する大きな因子になりもそうだ。

私自身が50代だからそう考えるのかも知れないが、50代は老後生活の質を決定する重要な時期だ。

しかし、倹約して収入の殆どを蓄財に回すことで、今本当にやりたい事を我慢するのは、一回限りの生き方としては目的と手段が倒錯している気がする。

つまり、やりたい事をそれなりにやりつつ、同時に老後に向けた資産形成も行う。この2つを今以上に高いレベルで同時に達成するには、所得を増やすしかないのだ。

だが、これまでの知識・スキルだけで所得向上を達成するのはなかなかに困難だ。

ではどうするか? ここでやっと、人材価値の更新という概念が必要になってくる。

自分がすでに遂行している業務も質と速度を上げて自分の市場価値を上げる。あるいは、それまでとは異なる種類の業務にも手を伸ばす事で市場価値を上げるか。

ここで異なる種類の業務と書いたが、それだって今の業務と関連性が高いのか低いのかでも色々と意味合いが違ってくる。

いずれにせよ、この進歩可能年齢段階の戦略・戦術は重要である。しかし、誰もが考えそうな戦略・戦術はレッドオーシャン化しているし、誰も思いつかない戦略・戦術はブルーオーシャンに出逢えるかもしれないが、そこはまだまだ未成熟な市場でニーズが顕在化していないかも知れない。

しかし確かなことは、85歳くらい(あるいはそれ以上でも)まで死なせて貰えない日本では、進歩可能寿命の60歳頃までに出来るだけ稼ぐ能力を高いレベルに更新できるか、自分の人材価値を極限にまで向上させるかが受容であるという事。

現代の70代、80代の高齢者を観ていると、彼らの10代、20代にきちんとしていても、50代以降で成長する意欲を持ち続けた人と、そうでない人との間にはは明確な差ががあるように思う。

勿論、50代以降でも成長の意欲と技法(当サイト内『成長のための7つのキーワード』を開く)を駆使した人の方が、そうでない人にくらべて端正な高齢者になっているように思う。

『理屈コネ太郎』の管見による私見だが、中高年にはプログラミングと心理学の勉強が人材価値の更新に役立つように思われる。心理学は臨床心理学と呼ばれる領域のニーズが潜在的ではあるが極めて高いと思われる。

幸い、プログラミングはWindowsパソコンならばほぼ全機に実装されているExcelのVBAという機能を遣えば、Visual Basicという言語の環境開発が簡単に構築できる。

しかも、費用は一切かからない。何故って、既に実装済なのだから。

Windowsマシンを持ちながらVisual Basicをやらないのは、全く宝の持ち腐れとしか言いようがない程勿体ないことだ。詳しくは当Site内『Excel プログラミング編』を参照されたい。

そしてVisual Basicはオブジェクト指向的な考え方の理解にも役立つ。

ExcelのVisual Basicでプログラミングについてのある程度の肌感覚を掴んでから、Java, Python, PHPなどの言語に進めば理解も一段と進むというものだ。

蛇足だが、VBAを使ったプログラミングを覚えると、マクロとは別次元の煩雑で回数の多い処理を熟せるようになる。

Excelの核心的価値はマクロではなく、VBA上でのプログラミングなのだ。

プログラミングの知識と技術は人材価値の更新に絶対に役に立つ。なにもプロのエンジニアやプログラマになる必要はない。

普通の経理や営業の職員が、Excel業務をプログラム化して業務時間短縮に貢献したら、それだけで人材価値を周囲の人が認めてくれるはずだ。

敢えてたとえると、マクロは戦術レベルのスキル。VBA上でのプログラミングは大局的な戦略レベルのスキル。

そして心理学だ。特に臨床心理学は医学と同様にエビデンスに基づく科学であり、非常にパワフルな実学だ。

臨床心理学を勉強すると、日本の根性論的教育観の美点と欠点が見えてくる。

なぜ日本社会は逸脱行為、例えば不倫にこんなに不寛容なのか、出た杭は徹底的に打つのか、なぜパワハラやセクハラがなくならないのか。そういう事について一定の見識を持てるようになる。

そして臨床心理学、特に認知行動療法は、苦しむ人を助ける技法をも含んでいる。

『理屈コネ太郎』は現在数社の企業の嘱託産業医をしているが、認知行動療法的手法を用いて苦しんでいる人を多少はラクにしてあげられている。

心理学専門職には、最近制定された国家資格である公認心理士、実績ある臨床心理士、学部レベルの心理学を修めた認定心理士。その他、色々な資格がある。当Site内『大学に行って心理学の単位を取って資格を取ろう』を参照されたい。

実社会で色々な経験をした中高年には、非常に親和性の高い領域だと思う。

勿論ほかにも沢山の領域や方法があるだろうが、中高年の人材価値更新の手段として、プログラミングと心理学を『理屈コネ太郎』はお奨めしたい。

今回は以上。

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