医師になろうと努力を重ねているあなたへ
もしあなたが医師を目指す理由の多くが、周囲の期待や助言によるものだとしたら――
ほんの少しだけ、立ち止まって考えてみてほしいのです。
医師という仕事は、社会にとってなくてはならない、立派で責任ある職業です。
人の命を預かり、治療を通じて人生を支える――その重みと意義に心を動かされるのは当然のことです。
私は長年、臨床の現場で医師として働いてきました。
そのなかでふと感じるようになったことがあります。
それは、医師を目指せるほどの努力を積み重ねられる人は、医療以外の選択肢でも、より自由に、より創造的に、自分らしさを発揮できる可能性があるのではないかということです。
Contents
医師は、自由よりも「責任と制約」の多い職業
医師になるには、10年以上にわたる学習と研鑽が必要です。
ですが、その先に待っているのは、意外にも「自由」ではありません。
診療は法律・制度・行政指導・医療安全の枠組みの中で厳しく規定されており、創造性を発揮できる余地はそう多くありません。
一人前になる頃には、方向転換のための時間や精神的余力も少なくなります。
医師は“融通のきかない専門職”として人生の多くを捧げる職業なのです。
あなたの努力は、もっと広い場所でも活きるかもしれない
もしあなたがここまで努力を続けられる人であれば、その力は医療以外の選択肢でも、きっと大きな価値を発揮できるはずです。
ビジネス、テクノロジー、法律、研究、政策、起業。
努力と継続力、思考力と責任感――これらはどの世界でも通用する普遍的な資質です。
そして中には、より柔軟な働き方や創造性、経済的な自由を得られるフィールドもあります。
実際、医学部に入ったあとに別の選択肢を選ぶ人や、医師免許を取った後に異業種で活躍する人も少なくありません。
彼らの多くが語ります。
「もし自分の適性に合う別の選択肢をもっと早く見つけていたら、人生がさらに充実したかもしれない」と。
医師という道を「他者の期待」で選ばないために
「医師になったら安定している」「親が望んでいるから」――
こうした理由も、きっとあなたの周りにはあるでしょう。
もちろんそれらは決して間違いではありません。
ですが、最終的にその選択をするのは、他の誰でもない、あなた自身です。
医師の収入は一定の水準がありますが、社会構造的に“際立って報われる”という職業ではありません。
たとえば、キーエンスのような企業では平均年収が2000万円を超えています(2022年時点)。
それに比べて、トップレベルの病院勤務医でもこの水準を超えるのはまれです。
それでも医師という道を選ぶ価値があるのは、
「この道でこそ自分が最大限活きる」
と自覚できたときだけです。
自分の意思で選んだ選択肢こそ、自分の人生
私は、他の選択肢も含めてじっくり考えた上で、最終的に医師の道を選びました。
そしてその選択に、今も誇りと満足を感じています。
でも、それは「自分で他の選択肢も考えたうえで選んだ」からこそ、納得できたのだと思います。
だからこそ、今まさに選択を前にしているあなたにも、幅広い選択肢を見つめる自由を持っていてほしいのです。
医師以外の選択肢が、より幸せにつながることもある
世の中には、まだ知られていない仕事、生き方、挑戦の形がたくさんあります。
自分の力で世界を変えたい人。
自由な時間を持ちたい人。
誰かの笑顔を生むサービスを創りたい人。
医師という道はむしろ不自由で、狭い可能性の中に自分を閉じ込めるものになってしまうこともあるのです。
そんなふうに感じたとき、他の選択肢にも目を向けてみてください。
最後に
あなたが「医師になれるほど努力できる人」であることは、それ自体が素晴らしい価値です。
そしてその努力を、どこでどう使うかは、あなた自身が選べます。
「親が望むから」「評価されるから」ではなく、
「自分の才能と人生を最大限に活かすにはどの選択肢が最適か」という視点で、ぜひ考えてみてください。
医師という道が最良の選択になる人もいます。
けれど、もっと自由に、もっと創造的に、もっと自分らしく生きられる選択肢が、あなたには開かれているかもしれません。
それを見つけ出し、選び取る力が、あなたにはきっとある。
私はそう信じています。
🔗 関連リンク
本記事が参考になった方は、当サイトの上位ページ「生活のヒント一覧表|Life Hackで人生はスイスイスイ!」もぜひご覧ください。
また、全体の構成は「当サイト内記事トピック一覧」からご確認いただけます。ご興味のあるテーマから、自由にお進みください。