医師を目指す高校生の皆さんへ、長年医師として働いてきた初老の元医師からお伝えしたいことがあります。それは、「医師になることが、あなたの可能性を狭める選択になるかもしれない」という事です。
そして実際、医学部入学後、あるいは医師免許合格後、さらには一人前の臨床医になった後に、医学の道から離れていく人が少なからずいるのです。
医師になるには長期にわたる多大な努力が必要ですが、その結果得られるのは「医師」という不自由な立場です。医師は規範や法律に縛られるため、クリエイティブな自由や大きな金銭的成功を目指す職業としては向いていません。行政の言いなり…といえば言い過ぎですが、それに近い立場が医師という職業です。
もし、医師になるのと同じ努力を自分に適した分野に投入したら、医師以上の成功や幸福を得られる可能性があります。今持つ個性や才能を活かして「圧倒的な存在感を持つ何者か」になる選択肢も視野に入れてほしいのです。
もちろん、医師という職業は適性があれば大いに遣り甲斐があり、生涯を捧げるに値する仕事です。ただし、それは他のあらゆる職業にも言えること。重要なのは、医師になる理由が「社会的地位」や「親の勧め」だけではなく、自分の意志と適性に基づいた選択かどうかです。
医師になると方向転換が難しい現実もあります。一人前の医師になるには10年以上の学びと実践が必要であり、その間に他の可能性を考える時間が制限されます。また、医師としての生活が安定すると、リスクを冒して新たな挑戦をする動機を失いがちです。
医師の収入も高くはありますが、社会の仕組みにより大金持ちにはなりづらい構造があります。たとえば、大阪に本社を置く株式会社キーエンスでは平均給与が約2183万円(2022年時点)ですが、日本のトップクラスの病院勤務医でも2000万円を超えることは稀です。
医師免許保持者がビジネス分野で成功する例もありますが、多くは医療から早期に離れた人たちです。彼らは「医学部での時間をビジネスに使えば、もっと大きな成功を収められた」と語ります。
これからの社会は、学歴や職歴よりも実力が重視される時代に移行しています。何ができるかを目の前で証明する能力が求められる中、医師としての道が本当に自分の最適な選択なのか、慎重に考えてほしいと思います。
『理屈コネ太郎』自身は医師になって良かったと感じています。しかし、それは十分に時間をかけて他の選択肢と向き合い、自分の意志で医師の道に進んだ結果だからです。ですから皆さんには、医師以外の道に可能性を見出すことも、大いに検討すべきだと考えます。
最後に、医師を目指す理由を「自分の人生を最大限活かすため」という軸で見直してみてください。人生を最大限に生きる手立てが、金銭的安定や社会的地位というのであれば、他の選択肢を検討してみて下さい。もっと良い選択肢が多数あります。皆さんが良い選択ができることを願っています。
今回は以上です。
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