私、理屈コネ太郎が抱くGRヤリスへの愛は大抵の人に負けないと自負しているが、どうしても心の中に悶々とするGRヤリス外観への疑念、「もしかしてGRヤリスはカッコ悪いのでは…」を処理しきれないでいた。
以下、当サイト内の他ページと同様に、本ページに記載する内容は全て理屈コネ太郎の管見内の独断と偏見による私見であり、ただの個人的意見に過ぎない事をご銘記の上読み進めていただきたい。
理屈コネ太郎のGRヤリスの後ろ姿への不満とその対策は別ページに纏めたので、後ろ姿についてはそちらを参照して頂きたい。正面や斜め前についても色々と思う事はあるが、それらはもう蓋をしようと決めた。
私、理屈コネ太郎が本ページで指摘したいのは、車体を横から見た際にあちらこちらにみられるヘンテコな平面や曲線やプレスラインが醸し出す違和感。それらが見る人の胸に「これ、カッコイイのかな?」って疑念をうっすらと抱かせるのでは…という事。
走行性能よりもデザインに重きを置く人は、この違和感の正体に気づいたらGRヤリス購入を後悔するかもしれない…ってくらいだと理屈コネ太郎は考えている。(詳細は「GRヤリス 購入して後悔するとしたら…」をクリック)
手元にプレスラインが明瞭に映っている写真があったので、まずは供覧したい。
理屈コネ太郎が如何なものか?と訝しくおもっているプレスラインを太線で囲む。
なぜ、後ろに行くほど下がるのかなあ?後ろに行くほど上げた方が恰好良いと思うのだけれど(後述するGRスープラのサイドラインと比較してね)。
せめて水平だろう、ココは!って思っている。
スポーツコンパクトにこのような後ろ下がりプレスラインをサイドに走らせるなんて、信じられない。
なんて事してくれてるのよホント…という気持ちいっぱいだ。
世間に流布されているカッコいいGRヤリスの写真は、殆どがこのプレスラインが目立たない、あるいはわからないような写真ばかり。
下の写真は前期型のトヨタ広報のモノだと思うが、GRヤリスがカッコよく写っている。しかし、理屈コネ太郎が指摘したサイドの後ろ下がりのプレスラインが絶妙に人工的で意図的なシャドー(撮影のためにデザインされたシャドー)で隠されている。
下の後期型webカタログから拝借した画像(この画像からはプレスラインを隠す意図は全くみえない)を見るとわかるのだが、このプレスラインはフロントのガーニッシュに始まりヘッドライト上縁を経由してひとつの曲線を構成している。ってことは、車を連続して半周以上走るラインを後ろ下がりにしているという事。
はぁ?飛行機じゃないのだから…という気持ちでいっぱいになる。
地面を疾走するスポーツカーの外観デザインは、地表へばりつく空気をまるで剃刀で切り取るかのように前方に薄くシャープなイメージを観る者に抱かせた方が商品力は高いはず…と理屈コネ太郎は思っている。
もしかしたらスポーツコンパクトの外観デザインに新機軸を打ち出したい野心的なデザイナーでもいたのかな。
ところで、このサイドの後ろ下がりのラインは、わずかだけど4ドアのヤリスにも見られるので、GRヤリスとヤリスのデザインコンセプトを共通化できる、たぶんけっこう偉い立場のデザイナーの意図だと思う。
いったん知ったかぶりをやめて、話題を先に進めよう。
理屈コネ太郎は下の写真の青線で囲ったプレスラインにも違和感を強烈に感じている。
リアのオーバーフェンダーを視覚的に協調するのが狙いなのか、このプレスラインは二重線(見方によっては三重線)で構成されている(4枚ドアのヤリスも同様であるが、それは実際にはあまり張り出していないフェンダーを張り出しているかのように見せる⦅錯覚させる⦆小技だ)。
しかしGRヤリスのフェンダーは実際に膨らんでいるので、フェンダーの膨らみそのものよりも、膨らみの立ち上がりの凹みが強調されてしまう結果となっている。
この違和感のインパクトは、時々見かける白目剥いてる様に見えてしまうギャルの下瞼目尻のアイラインのよう…といえば伝わるだろうか。
わかりにくい?
それは申し訳ない。
そしてこの凹みプレスラインは写真1のグレーで囲んだサイドのリアにいくにしたがって下がるプレスラインと衝突している…ように理屈コネ太郎には見える。自動車の横顔にあるべき疾走感が、ここで阻害されている。(写真3の米印部分)
もういちど、下に再掲する前期型GRヤリストヨタ広報の写真をみて欲しい。
サイドの後ろ下がりプレスラインと、リアフェンダー立ち上がりの二重プレスラインが絶妙に隠されて、疾走感があり、フェンダーの膨らみがハイライトになっている。
ルーフライン以外は、後ろに行くにしたがってしり上がりだ。
理屈コネ太郎が指摘する二つのプレスラインが衝突して疾走感が阻害される箇所を全く見る者に意識させない写真になっている。
この前期型の広報写真を撮った人はさすがにプロだなあ。あと、撮影後の画像処理した人も達人なのだろう。
そして、違和感としては理屈コネ太郎的に最上位に位置するのが、下の写真4で赤色のラインで囲んだ平面的な造形。
この部分の造形は本当に不可解で、隣接する造形と全く無関係な感じに平坦なのだ。この平坦さは何かを狙った平坦さではなく、デザイナーがデザインを放棄したような、そんな感じの平坦さなのだ。
同様の平坦さを敢えて他の部位に探すとすれば、それは…
ココ!
リアフェンダーエンドのなんのデザインも見られない平坦な造形。この部分もデザイナーが仕事を放棄したのでは?…と、思うほど隣接する造形と連続性や整合性がない。
プロデザイナーの仕事に対して、甚だ僭越で失礼を承知で敢えて申し上げてしまうと、GRヤリスのデザインは芯の部分でけっこう破綻している…ようだ。
だからなのか、ここにエアダクトのパーツを組んでこの破綻を修復するオーナーが多い。現在では定番カスタムと言っても良いのではないだろうか。
さて、ここまで理屈コネ太郎が指摘した箇所は、市販車であるGRヤリスに対して、理屈コネ太郎が個人的な印象に基づいて文句を言ってみた。
ここからは、視点を変えて「もしかしたら」のハナシをしてみたい。
GRヤリスがレース車両を基点に開発されたクルマだとしたら、外観デザインもレースで戦う事を念頭に構築されたはずだ。
もしレース車両としてある一定の完成を遂げた外観デザインがあったとして(例えばRally2のような)、そのデザインを市販車にまで落とし込む作業をしたときに、現在の外観デザイン(市販車としては違和感満載なデザイン)になってしまった…とは考えられないだろうか。
Rally2の画像をGAZOO RACINGのwebから拝借して3枚並べてみたい。
フロント地上高が下げられると(レーキ角…と言いましたっけ)、例のプレスラインの後ろ下がりが目立たなくなり(依然として後ろ下がりではあるが…)、リアフェンダーの膨らみ始めのラインとあまり衝突しない。
斜め後ろからの画像では、リアフェンダーエンドの処理がエッジの効いた部分と丸められた部分とで立体的造形を作りだし隣接部位との統一感を成立させている。
そして、リアスポイラーステーの形状とCピラーの平坦さにも連続性と整合性がある。このスポイラーに空気を導くために、あえてCピラーを平坦にしたのでは…と思わせる整合性が。
斜め前から見ると、やはり後ろ下がりのサイドのプレスラインがハッキリと見えるが、それがRally2では独特の存在感を醸し出しているように思える。
ここで仮に、前述のようにRally2がレース車両の外観の一つの完成系だと仮定しよう。このRally2から、リアスポイラーと前後のオーバーフェンダーを取り去り、前後の車高も市販車らしく水平にしたとしたら…私たちが良く知る市販車のGRヤリスが出てくるのではないだろうか。
そうであれば、デザイナーが仕事を放棄したと思えるようなヘンテコな平面も、フェンダーの膨らみよりも凹みを際立たせる二重のプレスラインも、疾走感を阻害する後ろ下がりのサイドのプレスラインも、そしてそういう違和感を絶妙に隠したTOYOTAのプレス写真も、すべてなんとなく納得がいく。
市販車GRヤリスの違和感あるデザインはレース車両の名残であり、プレス写真は市販品の美点を強調するのが目的だから違和感ある箇所は目立たないように処理されるのだ(後期型プレス写真ではその意図が薄くなった?)。
そうだ、きっとそうだ。そういう事なのだ。それで納得。もお決まり。今後一切そういう事にしよう。
ああ、これでスッキリした。
これまで、GRヤリスの、あの全く違和感を感じないドライブフィールを知る理屈コネ太郎にとって、外観の違和感はどうしても飲み下せない喉に刺さった魚の骨のようなものだった。
でも今は飲み下せた…気がする。っていうか、内視鏡で摘除してもらったくらいスッキリしている…ように感じる。でも、骨が刺さっていた場所は軽く、だけど永ぁ~くヒリヒリし続けるような気がしている。
本ページは、理屈コネ太郎がGRヤリスの横顔に抱く違和感と、それに納得するって内容でした。
【後記】参考までにGRスープラの外観について少し管見内の独断と偏見による私見、すなわち知ったかぶりを述べてみたい。
下に示すのは、GRスープラを斜め前と斜め後ろから見た画像である。いつものように、画像はトヨタwebカタログから拝借した。
GRスープラは発表当時賛否で沸いたスタイリングであり、たしかに奇抜な実験的試みと思える造形がテンコ盛りであるのだが、スポーツカーの横顔が持つべき疾走感を後ろ上がりのサイドのプレスラインがピシっと表現しているので、この一見ヘンテコな造作のクルマを見事にスポーツカーに仕立てている。
だから最初は違和感あったけど、なんか最近カッコよく見えてきた…という人は多いのではないだろうか。理屈コネ太郎もその1人である。
デザインというのは、かくも人間心理に効くのである。外観、恐るべし。美女やイケメンがモテるのも道理である。
今回は以上ん。
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